クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

指定期間 の記事一覧

ベートーヴェン 交響曲第3番 ケンペ(74)

2017.04.17 (Mon)
Kempe_GCOC_5759502.jpg
ケンペ/ロイヤルフィル(74、IMG)はまさにケンペ流。
この指揮者の流儀としか言いようのない演奏。ピリオドスタイルの世界とは対極。
前半は訥々と語りかける。したがってテンポは実にゆっくりなのだが、
ロマン的に膨張した音響ではない。
また、この渋渋の響きはとても暴れ馬ロイヤルフィルと思えない。
圧倒的な感動を催すというのでなくしみじみさせる独自の世界。

第1楽章各パートがそれぞれボソボソ。村の寄りあいのような雰囲気。
ヒロイックな「英雄」ではない。16:20はリピートなしなのでかなりゆったりなのだが
冗長という感がないのは各所から聞こえる声に耳を傾けざるを得ないから。

第2楽章これは侘しい。悲劇性は薄い。なんだかとても淋しい。
途中で止まりそうになる。なんじゃこりゃ。
後半になると雄渾なパワーが漲る。一筋縄でいかない演奏だ。
最後はまたもや心が震えるヴィヴラート。

第3楽章は通常のテンポに戻る。対向配置の弦が掛け合う。
ホルンはここぞとばかりに妙技。

終楽章は再びおっとり系テンポ。すっきりした音。
オーボエが強調されるので鄙びた感じが強く出るのがケンペの特色。
この指揮者はアンサンブルにそれほど厳しくなかったのか、
音響はどこまでも素朴感がある。
終結後の拍手も歓声はないが、満足でした、という感じ。

録音はプラハ音楽祭でスメタナホールでのライブ。
Smetana_Hall_201704172215447da.jpg
聴衆ノイズはほとんどなく吸音でデットな音響。左右が明快に分離。
ライブでこれほど個々の楽器が聞こえるということは
マイクは比較的近接マルチマイク収録でそれをトラックダウンした感じ。

16:20  17:28  5:34  12:20   計 51:42
演奏   朴   録音  87点

 | HOME |