クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

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ベートーヴェン 交響曲第7番 カンテルリ(56)

2017.04.05 (Wed)
カンテルリpo7
カンテルリ/フィルハーモニア管弦楽団(56、EMI)は
この若き指揮者の音楽的資質を感じさせる。
非常に緻密な設計で正当派の音楽を聴かせる。
ゆえにこの優秀なステレオ録音はありがたい。

トスカニーニに高く評価されていたイタリア人指揮者カンテルリ(1920~56)。
この録音の半年後のスカラ座の音楽監督就任が発表された11月に
ローマ発パリ経由NY行の飛行機が墜落し亡くなってしまう。
カンテルリ
トスカニーニよりも早く夭逝。
アメリカのコンサートの代役は同世代のライバル、バーンスタインが務めた。
カンテルリの才能とルックスにEMIの敏腕プロデューサーのレッグが
目をつけたのも当然だった。カラヤン以上に期待していた。
しかし、この急逝が色んな人の人生を変えてしまう。
それがこのレッグであり、カラヤンでありバーンスタインだったのだろう。

さて、この演奏、颯爽としてインテンポを貫く。興奮を惹起させる形では無く
各フレーズごとのニュアンスや各楽器のバランスに心血が注がれている。
トスカニーニというよりセルの演奏を思い出させた。
ぱっと聴くとなんだか普通の演奏に聴こえるが、よく聴くと実に入念。
そういえばこの人もリハーサルの鬼で癇癪持ちだったようだ。
弦は両翼配置でこの曲では掛け合いがよくわかる
(トスカニーニも両翼配置だったが録音はステレオでないので分からない)。

録音はキングスウェイホールでのセッション。
ステレオ実験段階の最初期のものだが拡がり含めて優秀。
EMIもアビーロードなど使わなければ・・・と思ってしまう。
全体的に自然な録音でメリハリはほどほどながら
まとまっているし相応の量感がある。

11:22  8:31  7:59  7:03   計 34:55
演奏   A    録音  86点
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