クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

指定期間 の記事一覧

ベートーヴェン 交響曲第7番 ブロムシュテット(75)

2017.04.26 (Wed)
ブロムシュテット7
ブロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレ(75、DS)は最高に美しい。
この7番で聞き惚れる演奏の筆頭。

第1楽章、冒頭の和音から抜け出る木管(Ob:マーン)の響きに痺れる。
そして左右の弦が森の木々の音。
フルート(ワルター)は小鳥の囀りにしか聞こえない。
金管(Hr:ダム)の登場と共に陽は昇る。
この曲が田園交響曲の続編であることを思い知る。
奥で鳴るティンパニ(ゾンダーマン)は出しゃばらないのに
しっかり芯のある皮の音が音楽を引き締める。

第2楽章もルカ教会に響くこのオケの光沢のある音が本当に素敵だ。
テンポは遅く一貫しているがシルクを一本一本丁寧に織り込むような
光景を目の当たりにしていると時間を忘れる。

第3楽章のテンポもゆったりしており凡百の演奏なら
飽きてしまうのだが、この心地よさは何か。

終楽章は壮大な賛歌だ。
終結に向かってぐんぐんスケールを増していく。
高度を上げる。
いつの間にかシュバルツバルトを高見から眺める位置にいる。
Schwarzwald.jpg

録音は聖ルカ教会でのセッション。
この時期のドイツ・シャルプラッテンのここでの音は素晴らしい。
この演奏がここまで心に沁みるのは
このオケ・この場所の寄与なくしては語れない。

13:31  9:57  9:45  9:03   計 42:16
演奏   S   録音  94点

ベートーヴェン 交響曲第7番 オーマンディ(64)

2017.04.25 (Tue)
オーマンディベト全
オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(64、SONY)は堅固で巨大。
低域からどっしりピラミッド型でびくともしない。
よく言われる「ゴージャス」なフィラデルフィア・サウンドは感じず、
ドイツのオケと言われれば信じてしまう。
面白さを感じるかといわれるとどうだろう。とにかく立派なのだ。
小細工無用の自信が漲る。

第1楽章は悠然とした展開。メトロノームが意識された最近のものと違い
リピートなしで13分半。最初から最後までインテンポで押し通す。
ドラマは無いが虚飾もない。

第2楽章もひたひた9分半。一つ一つ実に丁寧な歩み。
ベートーヴェンが書いた精緻な書法をゆっくり呈示。

第3楽章も変わりなし。急ぐことは無い。
大編成オーケストラを鳴らしているのであまり速くすると音が重複する。
それを避けているのか。ピリオドを聴いた耳からすると重いリズム表現。

終楽章もインテンポで押し通す。このオケの低弦がいい音。
男性的だが全体のバランスは崩さない。
アッチェレランドで興奮をあおることは無いのだが、なんだかすごい迫力。
やはりこの曲は凄い曲なのだ。
ormandy.jpg

録音はフィラデルフィア・タウンホール。響きは相応にあるスケール感ある音。
RCAに移籍した後弦がキンキンした録音もあるのだがここでは豊麗。
細部の明晰さはそれほど追求されないが力のある音。

13:37  9:29  9:39  7:18   計 40:03
演奏   厚A    録音  87点

ベートーヴェン 交響曲第7番 バーンスタイン(78)

2017.04.24 (Mon)
bernsteinvpo7.jpg
バーンスタイン/ウィーンフィル(78、DG)は前半と後半で激変。
前半はひたすら恰幅と安定、後半は舞踏感満載。

バーンスタインがVPOと満を持して作ったベートーヴェンの交響曲全集。
同じころカラヤン/BPOが同じDGで全集を作ったが音楽はまるで違う。
欧州に進出してバーンスタインの音楽は丸くなった、
が同時に面白みも少なくなったといわれる。私もそう感じることがある。
それでも実際によく聴いてみると外見の奇抜さ無くとも充実感はある。

この曲もそうだ。
バーンスタインにとってこの「舞踏の神化」はぴったりだと思うが、
不思議なことにニューヨーク時代は落ち着いたテンポで煽らない
音楽づくりをしていた。というか、はっきり言えば煮え切らなかった。
しかしここでは前半は遅い中にも一層きめ細かな肌合いを持ち、
後半戦は怒涛の姿を見せる。

第1楽章はどっしり不動感。興奮させる音楽ではない。
しかし非常にきめ細かな指示=ニュアンスを感じる。
ここら辺が同じテンポの遅さでも旧盤の世界とは違う。

第2楽章は80年代ならもっと重くなっていたかもしれないが
ここでは均衡感がある。終結にかけてはテンポを落とし寂寥感を演出。

第3楽章からは一転躍動感。リピートをする。弾むリズムは面目躍如。

終楽章はバーンスタインの唸りとともに熱い。
敢えて粗さを演出したような感。本領発揮だ。
bernstein.jpg

録音はムジークフェラインでのライブ。
細部というより全体の響きを重視。アナログ末期の優等生。
拍手は無いが(個人的にはあった方がよかった)、
音の反響や静音部で確かに聴衆の気配は感じる。
また、指揮者の足のふみならし音が聞こえライブ感もある。

14:15  8:46  8:59  7:04   計 39:04
演奏   A+   録音  91点

ベートーヴェン 交響曲第7番 バーンスタイン(90)

2017.04.23 (Sun)
バーンスタインラスト
バーンスタイン/ボストン交響楽団(90、DG)は言うまでもなく最後のコンサート。
この演奏はまさに「記録」だ。

バーンスタイン(1918~90)は14歳から煙草を吸い始め72歳まで
ひたすらチェーンスモーカーだったという。
bernstein smoking2bernstein smoking
1日100本吸い大量のアルコールを嗜んでいたのだから寿命はもっと短くても
不思議ではない。勿論医者からはそんな不摂生はやめなさいと言われていた。
常人なら気をつける。でもバーンスタインは気にしない。
そういえば、バーンスタイン来日時に私がサインをねだりに行った時も煙草があった。

1990年春、末期がんを告知されていた。しかし、最期の最後まで精力的だった。
7月に来日し途中でコンサートをキャンセルし騒動となった。
「過労」が原因で中止と発表されたが、実はホテルで倒れ死の淵にあった。
当時は極秘にされた。
そして、彼を育てたタングルウッドで懐かしいこの曲を振って最期を迎えた。

バーンスタインのベト7は5種類の音盤が確認される(もっとあるかも知れないが)。
① 1957 BSO  11.32 7.59 6.48 6.37
② 1958 NYP  12.31 9.46 8.26 7.35
③ 1964 NYP  14.30 9.03  9.27  9.03(リピートあり)
④ 1978 VPO  14.15 8.46 8.59 7.04
⑤ 1990 BSO  16.19 9.48 10.76 8.01
最初と最後がボストン響とのライブ。しかし演奏は全く違う。
①は記録的なハイスピード。⑤は記録的なスロー。
①は強引にオケを引っ張る若武者。しかし⑤はオケと聴衆がこの指揮者を支える。
この演奏の感動はそこにある。

録音はマサチューセッツ州・レノックス・タングルウッド・ミュージック・
センターでのライブ。屋外に向けてのコンサートだと思うがしっかり録れている。
tanglewood.jpg
屋外で音が拡散する前に近接マイクで録っているからだろう。
少しオフだが予想以上にいい音。最後の聴衆の熱狂的な拍手も収録。

16:19  9:48  10:26  8:01   計 44:34
演奏  涙    録音  90点

ベートーヴェン 交響曲第1番 モントゥー(60)

2017.04.22 (Sat)
モントゥー18
モントゥー/ウィーンフィル(60、DECCA)はただ聴けば良い。
どこまで指揮者でどこまでウィーンフィルの魅力なのか。
基本的には大枠をモントゥーが後はオケの自発性を尊重したような。
それが成功している。

ピエール・モントゥー(1875~1964年)は生粋のパリジャン。
Monteux-Pierre.jpg
しかしレパートリーは大変広い。
そして晩年の録音でも全く弛緩が無い奇跡的な感覚をもつ指揮者だと思う。

第1楽章いきなり弦と管がスタートする。その瞬間往時のウィーンに飛ぶ。
なんといってもウィンナ・オーボエの独特の音色がいい。
当時はヤマハ以前のツレーガーの音だと思う。
oboe-vienc3a9s-zuleger.jpg
この雅な音はバルビローリのブラームスでも印象的だった。

音楽の流れは実に自然。
後続楽章でも基本的に同様。第3、4楽章は特に颯爽としており軽やか。
あのトスカニーニやカラヤンより速いくらい。齢85にしてこの若々しさ。
気負いも衒いも無いかっこよさ。

録音はウィーン・ソフィエンザールでのセッション。
今は焼失してしまったこのホールの録音は好き。
勿論ムジークフェラインが本来の姿なのだろうが、
非常に明晰で音楽が締まって聴こえる。
対向配置の弦の掛け合いや鮮度の高い木管など印象的。
当時RCA傘下にあったDECCAの録音の優秀さを感じる。

9:01  6:05  3:21  5:30   計 23:57
演奏   維A+   録音  87点

ベートーヴェン 交響曲第7番 シェルヘン(65)

2017.04.19 (Wed)
シェルヘン
シェルヘン/スイス・イタリア語放送管弦楽団(65、MEMORIES)は
ガタピシャ滅法快速。
同じく速いカラヤンの洗練された重戦車に対しこちらは痩せた田舎者の槍鉄砲。

シェルヘン(1891-1966)の旧盤50年のウィーン国立歌劇場管弦楽団との演奏は
非常に伝統的でまっとうな演奏だった。指揮者の変容が極めて激しい。
演奏時間も6分ほど短くなった。大胆なアゴーギグは旧盤には全くなかった。
15年でなんでこんなに変わってしまったのだろう?

ではこの演奏が色物かというとそうではない。
指揮者は本気だ。いたるところで聞こえる指揮者の唸り。
アンサンブルは、・・・はっきり言って重要ではない。破れかぶれのゲリラ戦。
終楽章は完全に前のめりでオケが食らいつくのが必死。

ここで一つ気づいた。
最初からがたついた演奏が一層ガタついてもそれは一種の予定調和。
むしろすました名門オケをぎりぎりまで追い込んでガタつく寸前まで
やってしまう方がスリルがある。
クライバーやカラヤンの凄さはそんなところにある。

録音はルガノのオーディトリウムRTSIで聴衆を入れてのライブ。
拍手が入るが聴衆ノイズはあまりない。デットな音響で薄い音。
慣れれば聴ける。

10:07  7:54  7:13  6:45   計 31:59
演奏   槍    録音  84点

ベートーヴェン 交響曲第7番 ハイティンク(85)

2017.04.18 (Tue)
ハイティンク57
ハイティンク/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(85、Philips)は予想通り。
『この管弦楽団の創立100周年を記念して、当時の常任指揮者ハイティンクによって
完成されたベートーヴェンの交響曲全集。1988年のレコード・アカデミー賞受賞盤』。
ハイティンク(1929~)は70年代半ばにLPOとベト全を録音しており
これは2回目の全集から。2005、6年にかけてLSOと三回目の全集も認めている。

演奏はこのコンビならではこうなるだろうという音楽。それ以上でも以下でもない。
このオケの本拠地で正統的な演奏を聴きたいという人にとってぴったり。
どこをとっても最高の音響が提供される。スケール感は最大規模で力感も過不足ない。
50代半ばのいい人による堂々とした20世紀スタイルの演奏。

中庸な演奏を指して『最初聴くにはいい』と言うことがある。
ではクラシック入門の若者にこの演奏を薦めるかというとそうはしない。
この曲の持つ本能的な動感を味あわせたいと思うと他により適当な演奏がある。

なお、80年代ハイティンクは決して全てが安全運転というわけでなく
リスクテイクする演奏もあるので要注意だ。
haitink7.jpg

録音はコンセルトヘボウ本拠地でのデジタルセッション。
例によって残響がかなりあるので、このテンポ以上には速く演奏できないと思われる。
さすがフィリップスでこれだけの音場の中でも個々のパーツもしっかり捉えている。

14:22  9:05  9:25  7:05   計 39:57
演奏   A-    録音  92点

ベートーヴェン 交響曲第3番 ケンペ(74)

2017.04.17 (Mon)
Kempe_GCOC_5759502.jpg
ケンペ/ロイヤルフィル(74、IMG)はまさにケンペ流。
この指揮者の流儀としか言いようのない演奏。ピリオドスタイルの世界とは対極。
前半は訥々と語りかける。したがってテンポは実にゆっくりなのだが、
ロマン的に膨張した音響ではない。
また、この渋渋の響きはとても暴れ馬ロイヤルフィルと思えない。
圧倒的な感動を催すというのでなくしみじみさせる独自の世界。

第1楽章各パートがそれぞれボソボソ。村の寄りあいのような雰囲気。
ヒロイックな「英雄」ではない。16:20はリピートなしなのでかなりゆったりなのだが
冗長という感がないのは各所から聞こえる声に耳を傾けざるを得ないから。

第2楽章これは侘しい。悲劇性は薄い。なんだかとても淋しい。
途中で止まりそうになる。なんじゃこりゃ。
後半になると雄渾なパワーが漲る。一筋縄でいかない演奏だ。
最後はまたもや心が震えるヴィヴラート。

第3楽章は通常のテンポに戻る。対向配置の弦が掛け合う。
ホルンはここぞとばかりに妙技。

終楽章は再びおっとり系テンポ。すっきりした音。
オーボエが強調されるので鄙びた感じが強く出るのがケンペの特色。
この指揮者はアンサンブルにそれほど厳しくなかったのか、
音響はどこまでも素朴感がある。
終結後の拍手も歓声はないが、満足でした、という感じ。

録音はプラハ音楽祭でスメタナホールでのライブ。
Smetana_Hall_201704172215447da.jpg
聴衆ノイズはほとんどなく吸音でデットな音響。左右が明快に分離。
ライブでこれほど個々の楽器が聞こえるということは
マイクは比較的近接マルチマイク収録でそれをトラックダウンした感じ。

16:20  17:28  5:34  12:20   計 51:42
演奏   朴   録音  87点

ベートーヴェン 交響曲第7番 ケンペ(71)

2017.04.14 (Fri)
LUDWIG_VAN_BEETHOVEN_SYMPHONY_NO__7kempe.jpg
ケンペ/ミュンヘンフィル(71、EMI)はひょっとして「爆演」?
ケンペにあるまじき驚くべき展開。終楽章の破天荒さは信じられない。

このコンビの少し枯れた響きが好き。特にブラームスは良かった。
豊穣でもブリリアントでもない。しかし噛めば噛むほど味が出るという類。
これは前半3楽章は当てはまる。ところが・・・。

第1楽章第一音から聞いたことのないような息の長い音。
じっくりしたテンポで強直に歌う。序奏からヴィヴァーチェに至るまで6分弱。
全く独特の運び。
主部に入ってからも堂々と逞しく慌てず騒がず。なんという威容!
終結は戦いに疲れて一呼吸置いた後再度立ち向かうべく起立する。

第2楽章も悲劇性を帯びながらも実に立派。落ち着いた佇まい。

第3楽章は一般的テンポで憂いを含む。

終楽章はいきなり異様な雰囲気に気づく。
まずテンポがトスカニーニやカラヤンばりに速い。
そして目が血走っているではないか。なにかあったのか?
決して豊かとは言えない力づくの音が畳み掛ける。
弦の圧が強く美音をかなぐり捨ててる。
特に狂気凶暴なのはラスト2分。トランペットやホルンはむちゃくちゃ強奏。
弦は全く余裕がないなかアッチェレランド。紋切り型に叩きつけて終了。
この終楽章は1000ccの車が3000ccの車を追い抜く瞬間だ。
kempe.jpg

録音はミュンヘン・ビュルガーブロイケラーというビアホールでのセッション。
もともとは独エレクトローラによる録音。
コンサートホールでないので音は痩せた感じ。
響きも十分ではなく、素朴な音に仕上がる。
ただ、通常音では楽器の分離は良い。フィナーレでは煙が充満。

13:55  8:58  7:45  6:40   計  37:18
演奏   驚A+   録音  87点

ベートーヴェン 交響曲第7番 ラトル(2002)

2017.04.13 (Thu)
ラトル78
ラトル/ウィーンフィル(2002、EMI)は不思議ちゃん。
何かやらねばという意欲満タン。
単にベーレンライター版使用ピリオド奏法を取り入れた演奏、
と片付けられない。

ウィーンフィルの従来のボウイングを変えてノン・ヴィブラートで
室内楽的に弾かせる。フレーズ内での音の強弱も極端につく。
これをブラインドで聴いたらウィーンフィルとはわからない。
全体のテンポを遅くとり、意欲的な表現なのだが、
それが聞き手をどう揺さぶるかが問われる。

第1楽章はどっしりゆっくり。あっちこっちからいろいろ引き出す。
第2楽章は感動物語を聞かされているような抑揚。
第3楽章も手練手管。
終楽章はプルトを絞っていることもあり身軽であるが重厚な迫力はない。
普段は浮き上がらないようなパッセージが出てきたり、
音楽が不思議な伸縮を繰り返す。

面白いかもしれないが感情移入できなかった。

録音はムジーフェライン大ホールでのライブ。
聴衆が入っているのがプラス。適度な吸音によって音がすっきりしている。

14:10  8:25  8:28  8:55   計 39:58
演奏   不   録音  91点

ベートーヴェン 交響曲第7番 クレツキ(67)

2017.04.12 (Wed)
クレツキ7.
クレツキ/チェコフィル(67、Supraphon)は山間部の喜びの舞踏。
モダン配置の当時の普遍的演奏スタイルだが、響きは往時のチェコフィル。
逞しいざくっとした弦を中心にした渋く太く美しい響き。木や森やこだまの音がする。

第1楽章は何の変哲もなく堂々と始まる。
素朴な響きだが弦がくっきり左右で分離して聴こえる。
どこにも溜めや誇張がなく安定して進むが、底流にぐいっと力が。

第2楽章弦楽の歩みが聴かせる。この懐かしい響きはなんだ。ローカル色満点。
60年代はまだオケの音にその地域が反映した。
このゆったりした美しい自然の音を聴いているとドヴォルザークにつながる。
この楽章でこれほど森を感じることはない。

第3楽章は村のダンスが目に浮かぶ。嬉々としている。
テンポは速くないが重くない。中間部ではまたもや森の静けさ。

終楽章も村ではお酒が入って一層盛り上がる。
太鼓が打ち鳴らされ、ラッパを吹き鳴らし、皆が踊り狂う。木管が囀る。
ほのぼのと幸福感に満ちた音楽。
ボヘミアダンス

録音はプラハ、ルドルフィヌムでのセッション。
抜けの良いこのホールを鳴らす。混濁せずすっきり。
低域は出ているが締まりがある。少し軽めの音。古さは感じるが新鮮。

12:20  8:45  7:59  7:12   計 36:16
演奏   村A    録音  86点

ベートーヴェン 交響曲第7番 スクロヴァチェフスキー(2006)

2017.04.11 (Tue)
スクロヴァチェフスキー78
スクロヴァチェフスキー/ザールブリュッケン放送交響楽団(2006、OEHMS)は
スッキリくっきり目が覚めるよう。指揮者は高齢だが新時代の演奏様式。

スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(Stanisław Skrowaczewski, 1923~2017年)は
2月21日に93歳で亡くなった。
この録音は80歳過ぎ、読売日響の常任になる前年のもの。
『楽譜に書かれた全ての音は聴こえなくてはならない』というこの指揮者の身上が
透徹される。とにかく意欲的なこの演奏は全く老いておらず新鮮。
その意味ではカラヤン以上かもしれない。

またこれを聴くとのベートヴェン演奏の変遷を感じさせる。
私的にざっくり分類すると、

①モダンオケ+ロマン派巨大型(20世紀の大半はこれ:フルヴェンからカラヤン)
②古楽器オケ+ピリオド奏法型(1980年頃~:ガーディナー、ノリントン旧盤などから)
③モダンオケ+ピリオド奏法型(1990年頃~:マッケラス・ジンマンなどから)
④モダンオケ+新古典型(1990年ごろから)

近時CDなどでは②③が主流だが、
一般のコンサート会場では④が多いのではないか(あくまで感覚)。
また、③④はそれほど明確な差は無い。ラトルなど③なのか④なのか。

この演奏は④タイプの一つの究極。
響きは透明で引き締まり、テンポは快速。
しかしフルオケを使いスケール感はあるし、
ピリオド奏法は感じられずスッキリ系ヴィブラート採用。
速い中にも多彩な表現も盛り込みロマン派演奏の流れも汲む。

全体は常に勢いに満ちるが曖昧に流す場面がまるでない。
各楽器の各フレーズに指示が出ている。
終楽章は予想外なほど白熱。徐々にテンポを上げるのでなく5分過ぎ
コーダに入るとギアがカクンと一つ上がる。
整然としたオケがこれほど突っ走る様は
このコンビのブルックナーでは全く見られなかった。

録音はザールブリュッケン・コングレスザールで。
congresshalle.jpg
12-CongresshalleSaarbrücken
ライブ表記も拍手もないがヘッドホンで聴くと聴衆がいる気配も感じる。
マス的収録だが透明度が高く分離も相応。
一方スケール感あるホールトーンも感じさせる。

13:40  7:53  9:21  8:33   計  39:27
演奏   A+    録音 93点

ベートーヴェン 交響曲第7番 カラヤン(83)

2017.04.10 (Mon)
カラヤン47
カラヤン/ベルリンフィル(83、DG)はシニアの光。
カラヤンは89年7月に81歳で亡くなる。よって本盤は70代半ばの演奏。
高齢化社会とは言え70を過ぎればだいたいの人は一線から離れる。
しかしながらカラヤンはこの時点で衰えを感じさせない。
(↓1983年のカラヤン)
1983karajan.jpg

この演奏、スピードは速いままだし、爆音型は相変わらず。
ただ、全編に漂う張りつめ感が77年盤に比べて僅かに減少。
77、78年のティンパニの音も少し大人しく(テーリヘン?フォーグラー?)
よって豪放な印象が薄らいだ。
といっても普通の演奏からみれば非常識なほど豪快なのだが・・・。

カラヤンが得意としたベートーヴェンの「第7番」。
1941、51、59、62、77、78、83年の録音を振り返ると
70年代後半に行きつくところまで行ってしまった感がある。

本盤の若干の印象の希薄化は加齢による衰えというよりも
カラヤンの演奏スタイルがもうその先の行き場を失ったのではないか
ということを感じさせる。

とはいえ、カラヤンとしては『デジタル録音』でベートーヴェンの
交響曲全集を残さなければいけなかったのだろう。
70代にしてやらなければならないと感じて挑戦する。
シニアの光なのだ。

録音はベルリン・フィルハーモニーでのデジタルセッション。
同じ場所の77年盤よりもワンワンする感じが減少している。
これも演奏の印象jに落ち着きをを与える要因だろう。

11:11  7:40  7:28  6:24   計 32:43
演奏   A    録音  91点

ベートーヴェン 交響曲第7番 カラヤン(77)

2017.04.09 (Sun)
カラヤン1977 7番
カラヤン/ベルリンフィル(77、DG)は問答無用の絶頂。
とにかくこれだけ豪華な音響を聴ければ文句は無い。

カラヤンの数度のベートヴェン交響曲全集の中で一番ギラギラ。
事の是非はともかく、巨大オケ軍団で豪放に鳴らし時に鉄槌を打ち込む。
この後80年代にピリオド派が登場するのは近代スーパーオケが行きついて
しまったことをこの演奏を聴いて皆が感じたからではないか。
当然、ベートーヴェン本人がこの演奏を聴いたらショック死だろう。

第1楽章から巨大な緊張感が覆う。
情動を揺さぶる姑息な選択は無くパワーで押し通す。

第2楽章もいつものカラヤンだが音楽がとにかく大柄。
どんな時も低弦が不気味。

第3楽章は中間部でヴァイオリン群が持続音を極めて強く押し出す
のが印象的。アクセントが鋭角に打ちこまれる。

終楽章はいきなりトップスピードで、弦のみならず金管も咆哮しまくる。
スタート1分後半からティンパニーのロールが響き渡る。
4分半以降は大音響の渦。
異常な興奮という意味では78年盤ライヴだが、
これもライブ並みに燃えている。

録音はフィルハーモニーでのアナログ・セッション。
聴衆が入っていないので残響が原音にかかるため、
全奏はワンワンしてしまう。
同じ会場でも83年盤の方が抑えられている。
低域から高域まで澄んでいるとは言えないが量はある。

11:25  7:57  7:18  6:25   計 33:05
演奏   頂    録音  90点

ベートーヴェン 交響曲第7番 カラヤン(78)

2017.04.08 (Sat)
カラヤン1978ライブ7
カラヤン/ベルリンフィル(78、PALEXA)は本気のライブ。
セッションとは違う音圧の嵐。
そう、カラヤンは実演では猛烈な音で聴衆を圧倒していた。

このCDでもこれでもかというエナジーの放射で威す姿が記録されている。
特に終楽章はセッション録音でもカラヤン・スピードなのだが
ここではそれに加えて白熱の絨毯爆撃。
フィルハーモニーの中が暴風雨状態.。
hurricane.jpg
ちょっと暴力的ですらあり聴衆がかわいそう。
金管打楽器セクションの前に位置する木管群は難聴になったという
伝説も本当のように思える。

録音はベルリン本拠地のライブ。放送用音源か?
海賊盤ではないようで、音はまとも。
勿論この時期の正規のセッション録音に比べると
分離やヒスは望むべくないが、会場の空気感は伝わる。
フィルハーモニーは聴衆がいる方が適度な吸音が効きよい。

10:53  7:57  7:12  6:25  計 32:27
演奏  射   録音 85点

ベートーヴェン 交響曲第7番 バーンスタイン(64)

2017.04.07 (Fri)
bernstein19647.jpg
バーンスタイン/ニューヨークフィル(64、SONY)は低弦重量級。
バーンスタインのNYPとの二回目の録音。
テンポは安定している上に両端楽章のリピートを実施したために42分と
旧録音に比べ4分長くなった。

そしてこの演奏を特徴づけるのがニューヨークのコントラバスだ。
このオケの低弦は強力でこの曲ではヴァイオリンよりもこちらの音が
右からガンガン飛び込む。
ずっとザクザクゴーゴー鳴るのでドスの効いた音楽に成っている。

ただ、それゆえにリズムの祭典的なこの曲の本来的な溌剌感が
喪失してしまったうらみも。
バーンスタインの弾ける演奏を知っているものとして不思議な演奏。
第4楽章も遅いうえに反復実行で勢いが殺がれる。
オケは豪快に鳴っているが燃焼不足。
バーンスタイン的なドラマティックな展開を期待すると外れる。

録音はニューヨーク・マンハッタンセンターでのセッション。
響きが多くスケールが大きいが、ベートーヴェンにしては肥大化している。

14:30  9:03  9:27  9:03   計 42:03
演奏    重A-     録音   88点

ベートーヴェン 交響曲第7番 バーンスタイン(58)

2017.04.06 (Thu)
bernstein71958.jpg
バーンスタイン/ニューヨークフィル(58、SONY)は巨大な音響だが残念。

この一年前、ボストン響とやった同曲のライブ盤(モノ)の記録があるが
それとは全く違う演奏になってしまった。
ボストンとは猛烈なスピードで突っ込んでくる若々しい激しい演奏なのに、
この58年盤はどうしたことか非常に中途半端な安定路線。
この時期のバーンスタインは多少の粗っぽさはあってもイキの良さが
身上だったはず。残念ながらここでは不発。
ベートーヴェンのセッション録音とあって身構えたのか。

再録音の64年盤では反復指定を守るのでのでこの演奏より長いが、
その部分を除けばこちらの方が遅いくらい。
同年にワルター/コロンビア響が同じレーベルに録音しているが
終楽章などワルターの方が速くまだ覇気がある。
勿論オケの厚みはNYPが上回るが何ともラフだ。
セルのように緻密なニュアンスで聴かせるタイプとは違い、
バーンスタインは勢いと情動の揺さぶりがウリ。

期待が大きいので難癖をつけてしまったが、第2楽章は特徴的。
ステレオ時代の幕開けということか、弦の左右の執拗な掛け合いを
強調しこの楽曲を分析的に聴かせる。ここはバーンスタイン。

なお、ニューヨークは立派でソロは流石に巧い。

録音はNY・ブルックリンはセント・ジョージホテルでのセッション。
この時期にしては鮮度があるが響きが多く奥の楽器の分離が不明確。
ティンパニなどもやもやの中にある。
木管など派綺麗だしステレオ感はあるが、64年盤の方がヒス量も含めて改善。

12:27   9:43    8:23   7:27    計 38:00
演奏   B+   録音  86点

ベートーヴェン 交響曲第7番 カンテルリ(56)

2017.04.05 (Wed)
カンテルリpo7
カンテルリ/フィルハーモニア管弦楽団(56、EMI)は
この若き指揮者の音楽的資質を感じさせる。
非常に緻密な設計で正当派の音楽を聴かせる。
ゆえにこの優秀なステレオ録音はありがたい。

トスカニーニに高く評価されていたイタリア人指揮者カンテルリ(1920~56)。
この録音の半年後のスカラ座の音楽監督就任が発表された11月に
ローマ発パリ経由NY行の飛行機が墜落し亡くなってしまう。
カンテルリ
トスカニーニよりも早く夭逝。
アメリカのコンサートの代役は同世代のライバル、バーンスタインが務めた。
カンテルリの才能とルックスにEMIの敏腕プロデューサーのレッグが
目をつけたのも当然だった。カラヤン以上に期待していた。
しかし、この急逝が色んな人の人生を変えてしまう。
それがこのレッグであり、カラヤンでありバーンスタインだったのだろう。

さて、この演奏、颯爽としてインテンポを貫く。興奮を惹起させる形では無く
各フレーズごとのニュアンスや各楽器のバランスに心血が注がれている。
トスカニーニというよりセルの演奏を思い出させた。
ぱっと聴くとなんだか普通の演奏に聴こえるが、よく聴くと実に入念。
そういえばこの人もリハーサルの鬼で癇癪持ちだったようだ。
弦は両翼配置でこの曲では掛け合いがよくわかる
(トスカニーニも両翼配置だったが録音はステレオでないので分からない)。

録音はキングスウェイホールでのセッション。
ステレオ実験段階の最初期のものだが拡がり含めて優秀。
EMIもアビーロードなど使わなければ・・・と思ってしまう。
全体的に自然な録音でメリハリはほどほどながら
まとまっているし相応の量感がある。

11:22  8:31  7:59  7:03   計 34:55
演奏   A    録音  86点

ベートーヴェン 交響曲第7番 トスカニーニ(51)

2017.04.04 (Tue)
トスカニーニ7
トスカニーニ/NBC交響楽団(51、RCA)は一貫した豪快推進力。
トスカニーニが影響を与えたといわれるカラヤンやカンテルリの演奏はスピード感こそ
似ているが、この洗練を越えたパワーと紋切の中に見せる歌はやはり真似できない。
(↓左からカラヤン、サバタ、カンテルリ)
karajan cantelli

第1楽章冒頭から力感と推進力が素晴らしい。
オケのアクセントが非常に強い。
弦のフレーズの終結にはポルタメント的な時代的な表情もあるのだが
全体は全く甘くならない。ティンパニの強打も含め剛直。

第2楽章は速めのテンポで緊張感を持続させる。
時折表出するフォルテの音圧が強い。

第3楽章の叩きつけるような音は怒涛。
弾むというより、叩く感じなのだ。

終楽章も突き進む力が凄い。
ティンパニが終始鞭打つように強打されテンポの弛緩を許さない。
(効果を出すためティンパニ改変あり)
アンサンブルはライブらしい疵はあるが些細なこと。白熱だ。

録音はニューヨークカーネギーホールで。
第1楽章序奏を1951年11月9日のセッションその他11月10日のライヴとのこと。
このホールなので少し響きはあるがやはりデット気味。
ティンパニが入ると音に飽和感が出るのと低弦など量感が乏しいのが惜しい。

11:04  7:57  6:56  6:44   計 32:41
演奏   進   録音 72点

ベートーヴェン 交響曲第8番 カラヤン(46)

2017.04.03 (Mon)
カラヤンウィーン8
カラヤン/ウィーンフィル(46、EMI)は指揮者38歳、初づくしの録音。
戦後初録音。交響曲初録音。また、これはカラヤンのウィーンフィルとの
数少ないベートーヴェン交響曲初録音でもある(他に49年の9番、59年の7番)。

カラヤンが学生時代から国立歌劇場の天井桟敷に通い憧れ続けたウィーン。
しかし、戦後ナチ党員であったカラヤンは連合国軍から公の場での演奏を禁止され
実質ウィーンでもザルツブルグでも表だって活動することが出来なかった。
そこにに救いの手を差し伸べたのが
EMIの敏腕プロデューサーのウォルター・レッグ(1906~1979)。
legge3.jpg
「録音」は公の場ではないと勝手に解釈しカラヤンにウィーンフィルを指揮させた。
苦しい時にカラヤンを支えた盟友レッグとの関係は60年代に入り
この指揮者が大スターになってしまうと立場は逆転しレッグは没落する。
この手の話はよくあることだ・・・。

ともかくこのコンビの第一弾、戦後初録音がこれ。
カラヤンの「8番」といえば快速で一途に駆け抜ける演奏が特色だが
ここではまだカラヤンスタイルは確立していない。
因みに第4楽章の演奏時間を時系列に並べてみる。
46年7:44⇒55年7:37⇒62年7:07⇒77年6:31⇒84年7:09というように
70年代にスピードの頂点を迎える。

本盤はある意味普通に真っ当な「8番」の名演だ。
ダイナミクスの幅はカラヤンっぽいともいえるが、
全体に当時のウィーン様式を彷彿とさせる柔らかさも持つ。
そうした点では後年のBPOとの演奏より多彩なニュアンスを感じる。
終楽章の展開ではぐっとテンポを落とし終結の再稼働に向けた
演出をするなど意欲的。カラヤンがなぜ聴衆の人気を集めたのかが分かる。

録音はウィーン、ムジークフェラインザールでのセッション。
この時期のもとしては非常に聴きやすい。リマスターもよくウィーンの響きを伝える。
モノラルは通常デットな音響になりやすいがこの会場が寄与し量感もあり迫力を感じる。

7:44  3:41  4:24  7:44   計 23:33
演奏  初   録音  75点

ベートーヴェン 交響曲第7番 カラヤン(62)

2017.04.02 (Sun)
karajandg1962.jpg
カラヤン/ベルリンフィル(62、DG)は洗練流麗。
1961から62年にかけてこのコンビで録音された第1回目の全集から。

59年の素朴なウィーンフィルの音と別のカラヤン美学が確立している。
イエス・キリスト教会の美麗な音響とともにレガート全開。
今までにないスマートなベートーヴェンが当時の人に良くも悪くも
カラヤンを強く印象付けた。

特に第2楽章は教会の空間に響く木管の清冽な音と
弦の密やかな音にぞくっと来る。
終楽章は快速なのだが余裕がある。
57年のクリュイタンスとBPOの方がドイツ的な
ドスこい調で無骨なパワーを感じる。
これを聴くとスポーツカーに乗るカラヤンの姿が浮かぶ。
carskarajan.jpg

録音はベルリン・ダーレムのイエス・キリスト教会でのセッション。
当時のDGの典型的な音。バランス良く破綻が無い。
低域はそこそこだが一定の締まりもあり心地よい。

11:23  7:57  7:48  6:36   計 33:44
演奏   A  録音  88点

ベートーヴェン 交響曲第7番 カラヤン(59)

2017.04.01 (Sat)
karajan19597.jpg
カラヤン/ウィーンフィル(59、DECCA)はやはりウィーン。
カラヤン(1908~89)とウィーンとの関係は戦前はごく僅か。
戦中は無し。
戦後1946年にウィーンフィルを僅かに振るが進駐軍やフルトヴェングラーの
横やりもあり継続的ではなかった。
ウィーン交響楽団とは1950年代首席的地位だったが、
本命のウィーン国立歌劇場芸術監督の地位を得たのは1957年、カラヤン48歳。
私的には3度目の結婚を1958年25歳年下のエリエッテとする。
公私ともに絶頂期迎える。

レコーディング面では
1955年ベルリンフィルの首席指揮者となったカラヤンはDGと接近、
ウィーンを手中にしたあとはDECCAと関係を構築する。
一方、技術力に劣るEMI、そしてレッグ=フィルハーモニアとは疎遠になった。

かくして1959年DGと「英雄の生涯」、DECCAとは本盤「第7」で録音が開始された。
karajanvpo.jpg
但し、ウィーンとの関係は64年に崩壊しDECCA録音は65年で終了する。
この間LP14枚が製作された。
敏腕プロデューサーのジョン・カルショーとのものだ。
(個人的には一連の中ではドヴォルザークの第8番が一番鮮烈な印象)

そしてこのベートーヴェンはひょっとしてカラヤンがVPOと残した
唯一のステレオのベートーヴェンではなかろうか。
全体の印象は51年のPOとも3年後の62年のBPOとのものとも違う。
尊敬していたトスカニーニともフルトヴェングラーとも違う。
カラヤン+ウィーンの真っ当な音楽。

響きがBPOのようにソリッドでは無くふくよかで、
全奏も「ダン!」ではなく「ドゥワーン!」。
最初の二つの楽章では歌わせるところでは
テンポをしっかり落とす。
ある意味カラヤンの「第7」の中では一番ロマンティック。
しかし最後のフィナーレではカラヤン流のスピード感。

録音はウィーンのソフィエンザールでのセッション。
しっかり当時の木質の素朴な音が収録されている。
恰幅の良いマス的で強調の無い自然な音。
DG録音より量感あり。
但し、経年により少し丸い音になった気がする。

11:44  8:39  7:42  6:43   計 34:48
演奏   A   録音  86点

 | HOME |