クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

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ベートーヴェン 交響曲第8番 セル(61)

2017.03.12 (Sun)
セルベト全
セル/クリーヴランド管弦楽団(61、SONY)は発見の連続!
実に手が込んでいる。

ベートーヴェンが躁状態で書いたこの曲をセルはいったん分解して再集結。
フルオケで豪快に鳴っているようでも全パートが全て聞こえる。
そして単に聞こえるだけでなく表情が付いてる。
テンポは現在の標準より遅いが、このテンポの必然は聴けば分かる。

なお、この微細な表情を汲み取るならヘッドフォンで聴いた方がよいかも。
特に弦に注目。配置は通常で高弦と低弦が左右に分かれるが、
その応答がこれほど面白い演奏はない。
これなら対向配置ではない方がいいと思う。

第1楽章冒頭から弦がフレッシュ。
ちょっと聴いただけでこのオケは凄いと思う。まさにクリーヴランド。
シンフォニックなのに混濁はまるでない。まあ、このアンサンブルを
作り上げるために楽団員は相当泣いたのかもしれないが・・・。

第2楽章の6小節目(0:15)の1stVnの可愛い表情。
厳しいばかりがセルではない。

第3楽章の音の減衰のさせ方。真面目なのかユーモラスなのか。

終楽章も独特。
勢いで行くのでなく完璧にバランスをとりながら時に音楽を止めたり、
音量を絶妙に変化させたり。
LP時代にはここまで聴きとれなかった。
またしてもセルはほんとに凄かったのだと再認識。

録音はクリーヴランド、セヴェランス・ホールでのセッション。
Severance-Hall-60155.jpg
Severance-Hall-60151.jpg
併録の57年の「英雄」と同じ場所ながら響きが違う。
これはこの間にこのホールの改修が行われ響きが多くなったことも
要因かもしれない。それでも明快に聞こえる当時の優秀録音。
「英雄」よりDレンジが拡大している。

9:40  3:46  5:27  7:51   計 26:44
演奏   S   録音  87点
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