クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ビゼー の記事一覧

ビゼー 交響曲第1番 マリナー(92)

2016.12.13 (Tue)
マリナーbize-
マリナー/アカデミー・セントマーチン・インザフィールズ(92、EMI)はフレッシュ感再現。
マリナー(1924~2016)は92歳で亡くなったがこの録音時67歳。
20年前の1972年に同オケとこの曲を録音したがその時の感興を思い出させる。

第1楽章は冒頭からのハリのある音にいい意味で予想を裏切られる。
ティンパニは硬い音でしっかり締める。違いは反復の実行。
活き活きとした音楽は最後まで続く。

第2楽章は旧盤より1分速くなっている。
しみじみ感よりオペラティックな歌が優先される。

第3楽章はストレートな再現。

終楽章はテンポは普通だがアクセント、ティンパニの打ち込みが明快で、
弦もハリがある。こちらも癖がなく爽快。
バランシンによるバレエ化名が「Palais de cristal」だがまさにクリスタル的。
Palais de cristal

録音はアビーロードスタジオ1でのセッション。
響きはあるが透明感にかけるのがこのスタジオの弱点。
編成が小さいこの曲では目立たないもののもっとくっきり
澄んだ空気感があればさらによかった。

9:32  9:00  5:44  8:49   計 33:05
演奏   A    録音  90点

ビゼー 交響曲第1番 オーマンディ(74)

2016.12.12 (Mon)
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オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(74、RCA)は重厚バレエ音楽。
終始ゆったりしたテンポで優雅だが重い舞踏が続く。
爽快な青春を感じさせるものではない。まったりロマン。
タイムだけ見ると分からないが前後楽章でリピートを省略しているので実はかなり遅い。

第1楽章息せき切って走ることはなく、とにかく大きく進む。VIVO感はない。

第2楽章も保有盤最長。夢見心地のダンス。これは美しい。
フランス的というよりロシアを感じさせる。

第3楽章や終楽章はシンフォニック。リズムは重めでテンポは遅い。
先に進もうとするオケを指揮者が制しているように感じる。
プロデューサーがもう少し速く演奏した方がいいのではないかとの
異例の申し入れを拒絶したいわくつきの演奏。

振付師バランシンが「水晶宮」として全楽章を忠実にバレエ化したが
このテンポならぽっちゃり系のダンサーも踊れる。
palais-BALANCHINE.jpg

録音はフィラデルフィア・スコティッシュ・ライト・カテドラルでのセッション。
RCAのこの時期のフィラデルフィアの録音はイマイチ。
弦の音が美しくなく分離、伸びが足りない。

8:09  10:35  5:39  6:37   計 31:00
演奏   重A-     録音   86点

ビゼー 交響曲第1番 オルフェウス室内管(87)

2016.03.09 (Wed)
オルフェウスビゼー
オルフェウス室内管弦楽団(87、DG)はギュッとフレッシュ。
まさにこの曲にフィットした鮮烈な音。

指揮者なし常設26名でトラを加えても30名そこそこでの演奏。
弦一本一本の音が聴こえるような小編成。
ヴァイオリン9、ヴィオラ3、チェロ3、コントラバス1だから高弦よりになるが、
この曲の初々しい雰囲気では全く問題ない。

第1楽章は息せききる様なものではないが遅くもない妥当なもの。
表情は微妙なタメも持ちこんだりしておりただ流しているのではない。
これは「コア」による事前の打ち合わせに基づくもだろう。

第2楽章は極めて清潔。感傷性は少なく古典的なスッキリした表情。
でもこのシャキシャキ感は気持ちいい。
管のソロもうなだれることない歌。曲が素晴らしい。

第3楽章は燦々とした太陽のもとで跳ねる喜びに溢れる。
音が重くないのがいい。

終楽章も弾ける。少ない弦の音が運動しているを感じさせる。
金管・打も短く音を切り実に爽快。
orpheus_chamber_orchetra.jpg
この演奏に似た雰囲気の演奏を思い出した。
ファイ/ハイデルベルグ交響楽団のメンデルスゾーンだ。
ファイのような強烈な音楽作りはないが、痛快な音が共通だ。

録音はニューヨーク州立大学パーチェス校でのセッション。
ザくっと引き締まった弦でフレッシュな音。響きは適度でトランジェントが良い。
編成が小さいのがアドバンテージになった録音。

10:01  10:19  5:36  6:06   計 32:02
演奏   S   録音  93点

ビゼー アルルの女 レーグナー(74)

2014.12.03 (Wed)
レーグナー
レーグナー/ベルリン放送交響楽団(74、DS)は憂いを持った美演。
華やかさのないモノクロームな雰囲気なのだがレーグナーのロマンティックな
感性が光る。抑制の中の歌がとても愛おしい。

録音はベルリン放送局SRKホールでのセッション。教会より響きは少ないが
美しくむき出しではない音。それぞれの楽器は明快に分離しながらも
響きが溶けあいを促す。低域は薄いが気にならない。
シャルプラッテンはセンスがいい。

第1組曲「前奏曲」が始まるとほの暗いブルー系の音がとびこんでくる。
アクセントは明解だが同じ東ドイツ系のケーゲルのとげとげしさはない。
しかし、全体を包むこの光の少ない世界は独特。
それはサクソフォンの音色も同じ。
「メヌエット」も物悲しいが決して音が重くない。各楽器はクリアに聴きとれる。
「アダージェット」も含みのあるヴェールをかぶった音がいい。
「カリオン」は大袈裟にならずさらりと行くレーグナーの抑制が大人。
しかし中間部に見られる歌心は素敵。主旋律だけでなくサブパートも
時に浮かび上がらせ音楽を多面化させる。

第2組曲「牧歌」も太陽のもとではなく森の中。
「間奏曲」はひときわ暗さを増す。テンポは格別遅いわけではないし、
重いわけではない。不思議な感覚。
「メヌエット」のフルートはハスキーな感じで響く。
独特なのは後半のフルートとサクソフォンの絡み。
サックスがかなり積極的に絡む。こうしたバランスが何か屈折。
「ファランドール」も明るさの開放ではない。
全体が慎ましさを残したままひきつる様な進行。
タンバリンが悲愴な音でナイーブな悲しさをひきつれて終結。

第1組曲 6:50  3:17  2:48  4:09
第2組曲  5:13  4:58  3:46  3:42 
計  34:43
演奏   憂A+    録音  89点

ビゼー 交響曲第1番 ミュンシュ(67)

2014.10.23 (Thu)
ミュンシュ交響曲
ミュンシュ/フランス国立管弦楽団(67、SCRIBENDUM)はワクワク愉しい。
ただ、音が残念。

録音はコンサートホール原盤をスクリベンダム/イアン・ジョーンズが
アビーロードスタジオでリマスターしたもの。残響が少なくデットなのはともかく、
何か位相が定まらない粗っぽさがある。リマスタリングがおかしいのか、
もともとが変なのか。修正個所も粗い。フォルテでは音は割れるし残念。

第1楽章はミュンシュらしい活きのいい音楽。うきうき感がある。
ホルンやオーボエなどフランスのオケの音がする。
その代わりアンサンブルが大雑把なのもフランスっぽい。

第2楽章は情感たっぷり。思いが膨らむ。少年の純情さをそのまま持っている。
血の通った音楽だ。

第3楽章も思いッきりがよい。表情が大柄で民族的。

終楽章は茶目っけたっぷり。凄く愉しんで指揮をしているのが分かる。
聴いているこちらもニコニコしてしまう。

7:10  9:40  4:00  6:38   計 27:28
演奏  愉   録音 83点
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