クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

Haydn Sym88 の記事一覧

ハイドン 交響曲第88番 ドラティ(71)

2016.04.09 (Sat)
dorati88.jpg(←LP CD→)ドラティ全集
ドラティ/フィルハーモニア・フンガリカ(71、DECCA)は端正だが鄙びた感あり。
今となってはやや教科書的。

音色にアドバンテージがあるわけでなく全編積極的な奇策はない。
でも流石にドラティだけあって楷書的なきちっとした音楽に仕上げている。
ゆえに清潔感があり好ましい。
全集で聴いて行く分にはこうした癖のない演奏がよいかもしれない。

録音はドイツ・エッセン州マルルの聖ボニファティウス教会でのセッション。
鮮度の落ちを感じるし高域でピーク感が僅かにあるが素直な音作りは当時の水準。
いわゆるDECCA的なハイファイ録音でなく地味な部類に入る。

6:22  5:38  4:36  3:42   計 20:18
演奏   A-    録音  87点

ハイドン 交響曲第88番 ベーム(72)

2016.04.08 (Fri)
be-mu.jpg
ベーム/ウィーンフィル(72、DG)は真面目な美しさ。
最初聞いた時は面白くないと思った。
が、何度か聴き返すうちにこのカッチリさが心地よくなった。

第1楽章序奏がいかにもベームらしくきっちりと音を置いていく。
主部に入って音楽は厳しさと流麗が融合して進む。
刈り込んだ弦が清らかな流れを作り木管がきらきら輝く。

第2楽章はワルター、バーンスタインと並ぶ遅さ。
質朴なチェロのソロがインティメートなムードを醸し出す。
全奏との対比が面白い。

第3楽章も生真面目なメヌエットが逆にユーモラス。
中間部など堅すぎると思うが、しかめっ面でベームが振っている姿を想像。
思わず微笑む。

終楽章も効果を狙わず相変わらず。
バーンスタインなどこの楽章では快活なテンポでユーモラスだったが、
ベームはそうならない。
数少ないベームのハイドン録音。何が面白くてこの曲を振っているのか、
と思うが最後までインテンポで淡々とやりきってしまう。
そこがベームだ。
思えばこのころ日本でも人気絶頂だった。懐かしいな。
boehm.jpg

録音はムジークフェラインザールでのセッション。
響きの美しさは例によってだが、
ぶよぶよに膨らまず清冽さを保っているのがありがたい。

6:39  7:16  4:44  4:01   計 22:40
演奏   A+   録音  93点

ハイドン 交響曲第88番 ワルター(61)

2015.05.18 (Mon)
ハイドン88ワルター
ワルター/コロンビア交響楽団(61,SONY)は微笑み。
ワルターは1962年2月17日に85歳で亡くなっているが、
これはその前年3月の録音。
50年代の録音を聴く限りトスカニーニもかくやと思わせる気迫の演奏
(exブラームス交響曲第2番の終楽章)もあったが、
最晩年のコロンビア交響楽団との演奏では優しさが前面に出る。
また、ニューヨーク・フィルのものよりオケが薄いのがこの曲でプラスだ。

第1,2楽章は力みや、小細工が全くない。
第3楽章はアクセントにメリハリを持たせユーモラス。
墺太利の田舎のダンスを懐かしむ。
終楽章のテンポは弛緩することなくそれなりに走るが作為は全くない。
自然体で軽やか。(^.^)しながら振っている姿が想像できる。
bruno_Walter.jpg

録音はカルフォルニア州ハリウッドの米国在郷軍人会ホールでの収録。
響きは多くないが小編成でスッキリした音。
ヒスは若干あるがこの曲では時代を感じさせない鮮度がある。

5:41  7:20  4:44  3:37   計 21:22
演奏   A    録音 87点

ハイドン 交響曲第88番 フルトヴェングラー(51)

2015.05.11 (Mon)
ハイドン88フルヴェン
フルトヴェングラー/ベルリンフィル(51、DG)は期待が大きかった。
最初聴いたときはライブかと思った。フルトヴェングラーの自在な表情に
ややアンサンブルがついていっていないところがあったから。

これはとりもなおさず、ハイドンをロマンティッシュに振っていることの証左。
音の強弱や間のとり方に時代を感じる。
しかしこの後新古典的な演奏が多くなったあと、またピリオド楽器による
デモーニッシュな演奏が台頭するなど演奏の歴史も繰り返し変遷する。

ただ、全体としてこの演奏が面白いかと言われれば録音のハンディを
乗り越えるものではないと思える。
クレメンス・クラウスとウィーンフィルのように今は無き芳香がないのなら
終楽章でもっとアッチェレランドするなど豪快な魅力を見せてほしかった。

録音はベルリンイエスキリスト教会でのセッションなので聴きやすい。
適度な残響が美しい。
もちろん、ステレオ時代のような一皮むけた鮮度は望めない。

6:52  6:19  4:24  3:40   計 21:15
演奏   B+    録音 78点

ハイドン 交響曲第88番 ヴァイル(94)

2012.06.10 (Sun)
ヴァイルハイドン
ヴァイル/ターフェルムジク(94、SONY)は一番好きな演奏。
古楽器・小編成のアドヴァンテージを生かし快活な演奏となった。
生命力に富んだ推進力と多彩なニュアンスを併せ持つ。
この演奏を聴くと元気になりスカッとする。

録音はオランダのHaarlemでの収録。柔らかい響きの美しい録音。
このシリーズはカナダ・トロントのグレン・グールドスタジオでの
録音がほとんどだがこの一枚のみ違う。こちらの方がトーンが美しい。

第1楽章は小気味よく展開しながら愛想を振りまく。
ヴァイルは多彩なニュアンスを各楽器に割り当て進行させるので音楽が新鮮だ。
第2楽章は木管の表情が愛嬌がある。内省的な表情を主としながら暗くならない。
第3楽章は速くきびきびしている。そうした中、トリオではしっかり歌う。
終楽章は快速。指揮者の棒の音なのか、リズムをとるこつんこつんと
いう音が聴こえる。音楽が立体的に盛り上がるのはこのチームの良さ。
すばしっこい鼠のように部屋中駆け回る。大編成オケではこのようにはいかない。
終結に向けて音量とスピードと歯切れの良さを増していく姿が素晴らしい。
スッキリ!

6:16  5:57  3:30  3:22   計 19:05
演奏  S   録音 92点
 | HOME |  Next »