クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

Bruckner Sym6 の記事一覧

ブルックナー 交響曲第6番 シュタイン(72)

2012.03.24 (Sat)
シュタインブル6
シュタイン/ウィーンフィル(72、DECCA)は、この曲がこのオケで初演された
のにかかわらず、このオケで正規録音された唯一の貴重な盤のはず(2012年現在)。
それは特質すべき成果となった。
シュタインには申し訳ないが、オケが違ったらこのような成果とは言えなかっただろう。

録音はソフィエンザールでのセッションで誇張感のない自然な音場の優秀録音。

第1楽章冒頭の立体的なホルンの素晴らしさを聴いて、
ああウィーンフィルなんだと思う。
後に続く艶やかな低弦や森の中から聴こえるような木管。ほれぼれする。
録音によってはこのように感じないウィーンフィルだがこれはいい音だ。
このころが良かったのか?70年のベームのブルックナーの3番も
このオケの特質が出ていた。
この演奏は作為や力みがないのに勇壮感やロマンティックな気配が漂っている。
第2楽章はオケにお任せしているよう。こちらも木質感ある音にただ身を任せる。
時折のホルンの目覚ましい活躍がここでも光る。
この楽章だけで感動させる演奏もあるが、ここでは4楽章のの第2楽章という
位置づけが守られている。
第3楽章の弦のアクセントは弱く全体の音楽は地味だ。
ゆえに今までの流れから違和感なくこの楽章に浸ることができる。
終楽章は速めのテンポでオーケストラの美しくも輝かしい響きがふりまかれる。
終結に至るまで力づくのところはなくパンチもないが、
この曲にフィットした演奏かもしれない。

16:42  16:10  8:07  13:43  計 54:42
演奏  A+   録音 90点

ブルックナー 交響曲第6番 カイルベルト(63)

2012.03.19 (Mon)
カイルベルト6
カイルベルト/ベルリンフィル(63,TELDEC)はドイツ音楽。
オーストリアというよりドイツ、を感じさせる。
今では聴けなくなった音がする。

録音はテレフンケン原盤。リマスター良く鮮明だがヒス目立たない。
音場の奥行きは広くなく左右は拡がるステレオ初期の代表的な音。

第1楽章から力むことなく無骨系の音で迫る。
ただ、タテのリズムを刻むだけでなく、歌うところはしっかりしており案外柔軟。
テンポは悠然としたもの。
中間部の盛り上がりでは、ベルリンのラッパが時代を感じさせる音。
しかし、同年代でカラヤンが振った時とはオケが違うように聴こえる。
やはり指揮者の個性の違いだ。
第2楽章は極めて荘重に、という指示の範囲内でザッハリッヒ。
瞑想的ではなくここでも男性的。
第3楽章は腰の据わった音楽で軍隊の威厳を示すよう。愛想はない。
第4楽章もゆるがせにしない音楽。リズムは四角くがっしり音楽が進む。
結部はテンポが遅く金管が起立しながら音楽の流れに杭を打ち込む。
しかし、音楽の奔流は次第に強くなり、金管の杭も押しとどめることが
できなくなり壮大な終結を迎える。

17:25   18:10   8:24   14:32  計 58:31
演奏  A   録音 85点

ブルックナー 交響曲第6番 ケーゲル(72)

2012.01.04 (Wed)
ケーゲルブル6
ケーゲル/ライプチッヒ放送交響楽団(72、ODE)は最初は氷で最後が炎。

録音は当時の東ドイツ放送協会によるライブ収録でライプチッヒのコングレスザール。
リマスターでやや硬いが鮮烈な音になっている(残響付加?)。
低域に力はないがこの時代の放送音源としては立派。

第1楽章は勢いがよく、金管のハリもきつい。音楽は直線的で剛直。
フォルテは容赦なく強い。ただ能天気な一直線ではなく熱さを持っている。
特に終結のトランペットのロマン的な歌を聴くとヒロイックな音楽を
作り上げようとしているのがわかる。
第2楽章は冷たく寂しげ。オーボエが目立つのが印象的。
音量が上がるところでは引きつったような音にも。
第3楽章は比較的淡白。
終楽章は熱演。
強烈に盛り上がったかと思うと、歌うところではグッとテンポを落とし溜める。
ドラマティク。
終結に至るまで緩急強弱は多彩で当初のクールな表情とはかなり趣が異なる。
ブラス群の圧倒的な吹奏で幕。
聴衆は唖然とした感じで拍手。

16:22  15:33  8:18  14:56  計 55:09
演奏  A   録音 85点

ブルックナー 交響曲第6番 ロペス=コボス(91)

2011.12.31 (Sat)
コボス6         ロペス=コボス

ロペス=コボス/シンシナティ交響楽団(91、TELARC)は
美しさと力強さを両立した爽やかな名盤。
ブルックナーの交響曲の中でマイナーな扱いを受けている曲に
愛情を持って接しているのが分かる。スペインの指揮者に
アメリカのオケとなれば、ブルックナーに似つかわしくないとの
先入観で敬遠される。逆に爆演を期待して聴くとまっとうなので裏切られる。
よって、ブラインドで聴くとこの演奏の素晴らしさが分かるはずだ。

録音はシンシナティの音楽ホールで響きも多すぎず少なすぎず適切。
低域から高域まで綺麗に抜ける優秀録音。

第1楽章は伸びやかな弦の旋律線が素敵だ。
金管はキンキラでなく重厚さももつ。
どんなに迫力があっても荒れないバランス。
テンポは恣意的に動かさず自然ですんなり入る。
木管のさえずりも良好。万全だ。
第2楽章はこのオケの弦の美しさを堪能できる。
解釈自体は自然。瞑想的というよりさらりとした感触。
第3楽章は落ち着いている。
出自からしてもっとリズムを強調して弾むかと思うががそうはならない。
第4楽章も整理された音楽。
主旋律に絡む木管に神経が使われていることに気づく。
メロディもべとつかない範囲で歌い表情も豊か。
弦の切ない表情はこの人の得意技。起立するブラス群も爽快。

チェリビダッケのような意匠を凝らしていないが
素直にこの曲を味わうには録音も含めよい盤だ。
16:00  17:52  8:21  14:14   計 56:27
演奏  A+   録音 92点

ブルックナー 交響曲第6番 クーベリック(82)

2011.12.29 (Thu)
kubelik.jpg
クーベリック/シカゴ交響楽団(82、sardana)のこの指揮者のよく取り上げる曲。
力むことなく流すわけでなく、かなり手の内に入った演奏。

録音はシカゴでのライブで客席吸音効果もあり響きは抑えられる。
帯域の広さは望めないがCD-Rによる非正規盤としてはまともな音。

第1楽章は速いテンポでさらさらいく。
シカゴが大音響を立てるわけではない(それなりに金管はやっているが)。
そっけないほどのテンポ感だが、
ここぞと言うときのタメやじっくり度合いは堂に入っている。手馴れた感じで捌く。
第2楽章はシカゴ相手に寂寥感を出したりする。美しい仕上がり。
第3楽章は遅めのテンポでどっしりいく。音楽が軽く流れるのを防ごうとしている。
しかし、遅いテンポをとるとこの楽章の単純さが目立つのも事実。難しい。
終楽章は緩急取り混ぜ行く。
最初の楽章と同じく、そっけないかと思うと、ロマンティックになったり。
両翼配置の弦がかけ合い、指揮者の唸りが聞こえる。
シカゴのブラスも徐々に唸り始める。
ただ、ショルティのときも感じるがスーザのマーチにぴったりの金管も
どうもブルックナーでの深い音になっていないのが残念だ。
最後はブラスの饗宴。

15:04  15:58  9:07  14:44   計 54:53
演奏  A-   録音 85点
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