クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

Schumann Sym2 の記事一覧

シューマン 交響曲第2番 ムーティ(95)

2013.01.27 (Sun)
ムーティウィーンライン
ムーティ/ウィーンフィル(95、philips)は均衡感のある美麗な演奏。
18年前の旧盤より立派になった。
ただ、深みを強調しないこの方向性ならば旧盤の勢いが捨てがたい。
ウィーンはやはりいい音だが。

録音はムジークフェライン大ホールでのセッションで響きは豊か。

第1楽章の弦を聴いたときウィーン特有の弦のたおやかな波と
高域の鼻にかかったような艶やかさが飛び込む。
フィルハーモニアの時のような前のめりな勢いはなく恰幅がよくなった。
後半につれてシンフォニックさを増して熱を帯びる。
どんな場面も弦・管のバランスが良い。
音の重ね過ぎといわれるが鳴らし方で美しい音の層ができるのだ。

第2楽章もウィーンのよさを生かしている。強引さはない。
大きな響きなのだがその中に室内楽的な響きを持ち込む。

第3楽章は優雅。高弦と低弦の呼応がたおやか。

終楽章も弦を主体の流動感のある音楽。
のっぺりしておらず、一音一音膨らみをつける。
これはムーティの指示なのか、オケの自発的表情なのか。
終結もはみ出すことなくまとまる。

12:00  6:54  10:33  8:06   計 37:33
演奏  A   録音 91点

シューマン 交響曲第2番 ムーティ(77)

2013.01.26 (Sat)
ムーティPOシューマン全
ムーティ/フィルハーモニア管弦楽団(77,EMI)は勢いと美しさ。

録音はアビーロードスタジオ1でアナログ末期だがこの時代の平均的な音響。
清涼感はいまいちだが適度なマス的な響きは心地よい。

第1楽章は主部に入りリズムが弾んでいてワクワクする。
健康的な音楽で、作為がない。そのまま愉しめる。前進前進の勢いが気持ちいい。

第2楽章はもっとぶっ飛ばすかと思ったら均衡感があり美しい。

第3楽章は木管を浮かせてよく歌う。弦も美しく金管とのバランスもよい。
深刻な表情はなくさらさら美しい。ムーティのセンスを感じる。

終楽章は第1楽章と同じ勢いに満ちる。
それでも美感を損ねることなく流麗な歌もある。晴れやかな終結。

11:25  6:46  10:38  7:52   計 36:41
演奏  A  録音 90点

シューマン 交響曲第2番 ガーディナー(97)

2013.01.25 (Fri)
ガーディナーシューマン全
ガーディナー/オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティック(97、ARCHIV)
は率直。同じ古楽器でもヘレヴェッヘのほうが凝った面白さだが素直なのはこちら。

録音はワトフォード・コロシアムでのセッション。残響を押さえストレートな音。
もともとの演奏音がそうなのかもしれないが低域成分は少ない。

第1楽章はすっきりと引き締まった響きで厚ぼったさは皆無。
古楽器のヘレヴェッヘに比べる率直で生の荒々しさがある。
人数が少ないのでノンヴィヴラートの弦の掛け合いが左右から攻撃的に聞える。
金管は包み隠さず吠えるので従来の演奏に慣れた耳からすると突出感はある。

第2楽章は素直な表現でインテンポ系。
スリリングなスピードではなく落ち着いたテンポ。

第3楽章は古楽器系にしてはゆったりのテンポ。清冽な演奏。

終楽章は小気味よい音楽が心地よい。スパスパ粘らずに音が出るすがすがしさ。
最後の乾いたドラムの音は印象的。

12:12  7:01  10:08  8:29   計 37:50
演奏  A   録音 91点

シューマン 交響曲第2番 バーンスタイン(83)

2013.01.24 (Thu)
バーンスタインシューマン2バイエルン
バーンスタイン/バイエルン放送交響楽団(83、MEMORIES)は
85年盤より逞しさはある。ウィーン盤と演奏時間もほぼ同じで、
指揮者の指導も同じなのだろうが、オケの差で伝わり方が違う。
この日のプログラムは、①バーンスタインのディベルティメント、
②バルトークの弦・打・チェレスタのための音楽と③この曲。

76年のアムネスティ・コンサートでも立証されているがこのコンビの相性はよい。
晩年ウィーンフィルとの録音が多かったが、このコンビでもっとやってほしかった。
ウィーンではバーンスタイン特性が中和される側面があったが、
バイエルンとでは男性的な音楽になる。

録音は真正ライブで客席が埋まっているため吸音され残響は少ない。
ゆえに筋肉質に捉えられている。弦は硬質。
放送音源の録音かもしれないが、この種の音源としては優秀。

第1楽章の導入から主部に入るところの雰囲気はウィーン盤と同じだが、
オケの差で低弦の引き締まった力強さ魅力。
弦の強弱など率直に反応している。

第2楽章は多彩な表情を見せる。85年盤と同じだ。
弦のめまぐるしい掛け合いが面白いが、
ふと力を抜いて歌うところのソフトさも流石。

第3楽章の弦の歌わせ方はウィーン盤よりアクセントがある。
ウィーンは指揮者が強引にドライヴしてもリミッターがかかり楽団の
意地を見せるが、放送局オケはより従順に従うのだろう。
それでもバイエルンの太い響きは魅力だ。
中間部の熱い盛り上がりも凄みが漂う。
6分からの歩みのアクセントもはっきり。
夢幻よりも現実の音。深みという点ではウィーン盤だ。

終楽章はやはり逞しい。
強音がやや歪む録音ハンディはあるが、ゴリゴリ盛り上がる。
パンチのある終結。

オケの聴き比べの興味はあるが、録音含めた総合的完成度はウィーン盤。

12:30  6:54  13:26  8:40   計 41:30
演奏  参   録音 86点

シューマン 交響曲第2番 バーンスタイン(85)

2013.01.22 (Tue)
バーンスタインシューマン2VPO
バーンスタイン/ウィーンフィル(85、DG)は深く凄味がある。
彼のこの曲への愛情の傾注、集大成を感じる。
シノーポリはこのオケと83年に名盤を生み出しているが、
やはり指揮者の格とか年輪の差を感じさせる。
精神分析医の診断などぶっ飛ぶ。今回聴き比べてその凄さを再認識した。
当方所有のCDは当初のカップリングのチェロ協奏曲と。
はっきりいってこの第2番だけでも十分。

録音はムジーケフェラインでのライヴ。低域からバランス良い。
客席ノイズは例によって聞こえない。

第1楽章の冒頭から美しいソノリティ。弦に木管が絡むときの絶妙なバランス。
主部に入る時の自然な展開などやはりこの指揮者は素晴らしいことになった。
要所要所で音楽を締め、訴える。
図太く充実した音で荒れないが、眼光は鋭い。これぞ大人の迫力だ。

第2楽章もシンプルなスケルツォに堕してない。
スフォルツァンドが見事で、自在な緩急は大家のそれだ。

第3楽章は昔からバーンスタインの得意な楽章。
これにウィーンの美しさが絡むのだから圧巻。
14分弱というチェリビダッケを上回る最長不倒だが、内的充実がある。
じわじわ高揚していく頂点では息苦しいほど。
特に6分から始まる歩みは心理戦。耐えに耐える静かだが不屈の魂。
こうなるとブルックナーのアダージョも真っ青。
息もできない終結。

終楽章は解放の音楽だ。前楽章の重さに圧迫された気持ちが救済される。
そうか、そうだったのか、と合点がいく。
活力が漲り喜びにあふれる。しかしそれは単純な解決ではない。
不安はある。苦さもある。しかしそれでも前進する逞しい精神の気高さ。
力強いティンパニを伴う終結に大感動。

この演奏を聴くとこの曲はベートーベンの「運命」を超えているのでないかと思う。
シューマンの器を大きくはみ出しているのかもしれない。

12:59  6:59  13:47  8:45   計 42:30
演奏  S   録音 91点
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