クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

Schumann Sym4 の記事一覧

シューマン 交響曲第4番 マリナー(85)

2011.12.14 (Wed)
マリナーSRWシューマン
マリナー/シュトゥットガルト放送交響楽団(85、Capriccio)は79年に続く
このこのコンビ2回目の録音だと思う。その後も手兵と再録音しており
マリナーはシューマンが好きなのだろう。中庸のよさを感じる。
バーンスタインは熱過ぎ、カラヤンは立派過ぎ、その他の個性派演奏も疲れる、
という方には良い。

録音は遠近良好な自然なもの。

第1楽章は小細工のない流麗な演奏。安心して聴ける。
どこも飛び出すことなく音楽が流れる。
第2楽章も自然な情感が素敵。
第3楽章も立派な音楽だが清潔感がある。
終楽章も力で押すことはなく弾みながら歌いながら進む心地よさ。

全体の聴後感は腹八分目のよう。何か物足りなさもある。
しかしそもそもシューマンの交響曲はどこか未達で突き詰め切れていない
ところに魅力を感じなくてはいけないのかもしれない。
何かが足りない、この完結性の欠如に淡い浪漫を感じなければ
シューマンとは付き合えないかもしれない、などとふと思ってしまった。

10:36  4:01  5:30  9:20   計 29:27
演奏  A   録音 90点

シューマン 交響曲第4番 レヴァイン(90)

2011.12.13 (Tue)
レヴァインシューマン14
レヴァイン/ベルリンフィル(90、DG)は強い音楽。柔なシューマンを蹴散らかす。
終楽章はこのコンビの面目躍如。

録音は図太くこのオケを捉える。比較的音は近く凝縮した音。

第1楽章はベルリンフィルらしい堅牢でガチッとした音。揺るがせにしない。
音圧も相当なもの。立派なドイツ行進曲。
第2楽章のロマンツェ。前楽章と同じ調子で強いものだから音楽が一本調子になる。
これがレヴァインの悪い癖。機械的な弱音を出してしまう。
ソロのヴァイオリンも気持ちがこもっていない。
第3楽章は両端の力強さと中間部の優美さの対比が売りだがこれが今一歩。
終楽章はまことに剛直豪快。音の強弱が紋切り型。
ここでは表情を大きく揺さぶるルバートも盛んに聴かれる。
クレッシェンドは乱暴なほど強い。
表情は多彩と言えば言えるがとにかく全般にデリカシーに欠ける。
よく言えば健康的・・・・。

10:37  4:07  5:21  9:44   計 29:49
演奏  A-   録音 90点

シューマン 交響曲第4番 ベーム(78)

2010.01.30 (Sat)
ベームシューマン4
ベーム/ウィーンフィル(78,DG)はこの曲の演奏としては異端なのだろうが大好きな演奏。
何しろウィーンの音が魅力的。これほどウィーンフィルの音をうまく発揮させ
かつ捉えた録音は同じ年に録音されたベームの新世界くらいではないか。
思うに、ベームの演奏様式とシューマンのそれとは
本来大きなギャップがあるようにも感じられる。
実際この演奏もかなりベーム寄りだが、このころのベームの人生を達観した者の
なんとも言えない優しさがにじみ出ているように思える。
録音は、ムジークフェラインザールで鮮度、音場ともに良い。
第1楽章は重厚。この楽章に12分かける演奏はバーンスタインの71年非公式ライブほか
知らないが演奏様式はまるで違う。一つ一つの発音は明瞭でどっしり重心が低い。
ブラームスの第1番を聴いているよう。
バーンスタインのような溌剌さはなく真面目でもっさり。
しかしなぜか厭味でないのはウィーンの音、しかもこの録音の適切さが影響している。
特にフレーズの終りでっすっーと延ばされる弦の音は気持ちが良い。
終結にかけて金管が重なりあうハーモニーの素晴らしさ。
第2楽章もいきなりオーボエとチェロのソロの掛け合いが何とも滋味。
そのあとのこぼれるようなヴァイオリン独奏ゆったりとした慰め!!
この演奏の素晴らしさともかくだまされたと思ってこの楽章を聴いてほしい。
第3楽章は両端はいかついが中間部はなで肩だ。
終楽章の序奏はまた古楽、室内楽的であり印象的。終楽章は相変わらず落ち着いている。
提示部反復省略。丁寧に朴訥に音を紡いでいく。ホルンの力強い吹奏などもあるが、
音楽がきめ細かに分離しハイドンに通じるような見通しのよさを
獲得しているのも独特である。7:39からのコーダでは中央のコントラバスから
始まり右のチェロ、左のヴァイオリンに回る弦の遁走が明瞭にとらえられている。
何とも味のある充実した一枚。個人的に好きなのでS。

12:16  5:33  5:50  8:09   計 31:48
演奏  好みS   録音 93点

シューマン 交響曲第4番 クーベリック(63)

2010.01.27 (Wed)
クーベリックシューマン全集仏
クーベリック/ベルリンフィル(63、DG)はこのシリーズ共通の印象、
ドイツ的硬派でまじめなシューマン。
録音はベルリン・イエス・キリスト教会で当時の水準。レンジ感は広くなく硬くまとまった音。
第1楽章は速くも遅くもないまさに妥当なインテンポの中ひたむきな演奏。
第2楽章は独奏者の水準が高く聴きもの。
第3楽章は低弦などの圧力とともに中間部の優しいヴァイオリンが心引く。
終楽章の序奏はテンポをぐっと落とし盛り上げていく。
終楽章は提示部リピート省略。これまた早くも遅くもないテンポで進みつつ徐々に熱気を帯びる。
しかし決して枠をはみ出さない。
クーベリックのホットな別な面を知っているだけに一抹の物足りなさも。

11:29  4:48  5:52  7:25   計 29:34
演奏   A-   録音 85点

シューマン 交響曲第4番 ヴァント(91)

2010.01.26 (Tue)
ヴァントシューマン34
ヴァント/北ドイツ放送交響楽団(91、RCA)はこの曲の幻想的な側面を
スパッと切り落とした荒ぶる演奏。
録音はハンブルグ・ムジークハレでピークは余裕がなく飽和感あり。
第2楽章では咳などが聞こえるし、荒っぽい録音はライブではないかとも思う。
第1楽章からここでも強力な音が支配する。微妙なニュアンスは音壁によりなぎ倒される。
男性的といえば言えるが無神経ギリギリの頑固親父。アクセントは重く硬い鉄槌のよう。
柔な精神は叩きのめしてやる、とヴァントさんに叱咤されているような感じ。
第2楽章に入るとほっとする。中間部の弦や木管のソロで慰められる。
しかしそれもつかの間だ。
第3楽章の巨人が足を踏み鳴らすように音塊が襲う。何か怒っているような恐ろしさ。
終楽章の序奏も幻想性はゼロ。リピート省略。
終楽章に入っても浮き立つ事はなくまじめな顔で引きつったような音。
但し、前3楽章までの恐ろしさは緩んでいるのは音楽のせいか?
首尾一貫という意味ではまことに一途な表現だが、ヴァントはシューマンが好きなのだろうか?
10:50  4:28  6:43  6:25   計 28:26
演奏  怒   録音 87点 
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