クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

Brahms Sym4 の記事一覧

ブラームス 交響曲第4番 ミョンフン(11)

2011.04.09 (Sat)
ミョンフンブラ4
ミョンフン/チェコフィル(11、EXTON)はこのコンビの来日公演を聴きに行く予定であった演目。
しかし、3.11大震災により大統領の命令でチェコ空軍の専用機が15日に小松空港にて
彼らを収容して帰国してしまったたためコンサートは無くなった。
彼らはチェコの至宝なのだ。
一方、このコンサートの主催者である東芝は大いに慌てたはずだ。
しかし何よりも大震災後に起こった福島原発の事故機は東芝とGEによるものだというから
そちらでもこの会社は大変なことになっている。日本を代表する大企業。頑張ってほしい。

録音は2011年2月17,18日プラハのルドルフィヌム・ドヴォルザークホールの
セッション&ライブというから出来立てほやほや。2日間のまたがりはあるが
違和感なくスケール大きくシルクの音が生々しく収録。素晴らしい音。

第1楽章冒頭の弦の音に聞き惚れる。ハラハラ流れる。美しい。
しかし徐々にこの美しさの底流に情熱が迸っているのを感じるようになる。
音楽はしなやかに膨らみ終結を目指して滾る。結びのティンパニの強打に予感させるものがる。
第2楽章はチェコフィルの美しさに酔う。指揮者もじっくり落ち着いた音楽。
第3楽章は瞬発力と勢いがある。スピードがあるというより弾力性を持って前へ進む。
指揮者がどのように汗だくになろうともこのオケは大きな包容力で対応する。
だから音楽が棘にならない。この楽章も終結部の異常な粘り腰とティンパニの強打が心に来る。
終楽章の熱気はまさにライブだ。冒頭より力強くうねる。時にフレーズ末尾を伸ばして切迫する。
金管のアクセントは徐々に激しさを増すがホールトーンと録音が余裕で収録。
直線的にゴールに向かい果てる。
枯淡という言葉とは遠い演奏。指揮者の情熱を美しく受け止めるチェコフィル。
本国で大喝采だったというが、実演にいけなかったのがかえすがえすも残念。
見事な大演奏。

12:45  11:56  6:02  10:03   計 40:46
演奏  熱A+   録音 94点

ブラームス 交響曲第4番 フルトヴェングラー(43)

2008.12.31 (Wed)
フルトヴェングラー/ベルリンフィル(43)は劇的なブラ4。12/12~15のライブ音源。
場所はベルリンのフィルハーモニーザール。当然音は荒れるが比較的くっきりしており
戦時下の音としては良く録れているほうか。
第1楽章はゆっくり濃厚に主題を提示したあとは決然とした表情で加速していく。
ここだけでもドラマを観ているよう。しかと打ち込まれるティンパニ。テンポは揺れ心も揺さぶる。
終結に向けてのデモーニッシュな動きはフルヴェン以外の何者でもない。
第2楽章は前章を受けて心を落ち着ける。しかしティンパニの強打は激しい。
第3楽章も生で聴いていたなら相当興奮するはず。
終楽章の歩みは逞しい。枯淡の境地でなく疾風怒濤。ここまで心をかき乱す第4もないだろう。

12:04  12:17  6:17  9:26  計 40:04
演奏  A  録音 73点

ブラームス 交響曲第4番 マティース&ケーン(96)

2008.12.29 (Mon)
マティース&ケーン(96)はナクソスによる「4手のピアノによるブラームス」のシリーズの一枚。
ドイツのザントハウゼン、クララ・ヴィーク大講堂での録音は適切。
今は夜中、仕事をしながら音楽が欲しくなるときにかける。
オーケストラ版のようなダイナミックレンジはないが、ゆえに無用に入り込んでくることがない。
第1楽章から第2楽章はポツリポツリと語りかけてくる。渋くピアノ演奏特有の間が
この交響曲にちょうどよい。
第3楽章は溌剌さはあるがうるさくない。
終楽章はオーケストラの総奏の持続音をトレモロで補うところはやや無理があるが、
そのほかは違和感がない。変奏を一つ一つ丹念に弾き、静かな部分ではテンポを落とし
ロマンティック歌うとともに音の途切れる間の効果が抜群だ。
オケでは表出できない孤独で静寂な世界がある。壮麗ではないが端整に曲を終える。

12:38  11:12  6:04  10:27  計 40:21
演奏  好  録音 91点

ブラームス 交響曲第4番 ケンペ(62)

2008.12.28 (Sun)
ケンペ/ロイヤルフィル(62)は「ケンペのブラ4」が聴ける。
この録音はケンペはロイヤルPOの常任時代(61から63)のもの。
ケンペの保有盤は皆39分台でものすごく表現が変化しているわけではない。
この時代すでに確立されている。ホールの響きは適度からやや少なめ。強奏でややにごる。
第1楽章から速めのテンポで明快・率直。小細工なく進む。オケは美しいとはいえない。
第2楽章もそっけないくらいのストレートな音作り。愛想はない。
第3楽章のリズムは無骨である意味ドイツ的ともいえる。太鼓がドコドコ素朴な音。
終楽章も直線的に図太く進む。力強い。但し全奏での音の荒れは耳につく。
悪くないが後年に更によいのがあるので録音も含めてあえてこれを採る必要もないだろう。

11:58  10:53  6:36  10:00  計 39:27
演奏  B+ 録音 85点

ブラームス 交響曲第4番 バーンスタイン(81)

2008.12.12 (Fri)
バーンスタイン/ウィーンフィル(81)は20年前の旧盤とは別人。大幅に深みが増している。
カラヤン/ベルリンは鋼鉄の響きであったが、バーンスタイン/ウィーンは木質の音がする。
録音は聴衆のノイズのない擬似ライヴ。バーンスタインのうめき以外は万全。
第1楽章、フレーズごとの入念の表情付けにウィーンフィルの管・チェロの魅力的な音色。
ここぞという時のティンパニのえぐり。ザンデルリンクやジュリーニのようなのっぺりした
脱力感はなく歩みは明快。加えて中間部の深く沈みこむような場面では思い切り溜める。
立体的で彫りの深い音楽は流石だ。バーンスタインは熱血漢であろうが入念な設計が
前提にある。この楽章の終結の劇性は他を圧する。
第2楽章も低重心のなか緊張と弛緩が見事。チェロの憂いと熱を帯びた歌は絶品。
バーンスタインが振るとこの楽章も強大化する。ただし、あまりに濃厚すぎて辟易とする人も
いるだろう。80年代以降のバーンスタインの後期の演奏は聴き手の体調次第で評価が
変わる恐れがある。
第3楽章はパンチがある。この楽章を元気に仕上げるのはバーンスタインの若いときからの
慣わしだが、それにしても生で聴いたらビックリするくらいの勢いだ。
終楽章も劇的な起伏に富んでいる。それにしてもこの楽章で奏でられるウィーンの音色は
なんと魅力的なことだろうか。以前、ムーティ/フィラデルフィアの美しすぎる演奏に
魅せられたが、ウィーンは単に美しいというより楽器の発する音に独特の色気がある。
そのフェロモンを引き出しているのがバーンスタインだ。それぞれの変奏の性格が千変万化。
一歩一歩階段を上り大団円を迎える様はこの交響曲の枠を超えてしまったかもしれない。
しかしその説得力には心が揺さぶられる。やはりこの人は凄い!

13:17  12:41  6:12  11:35  計 43:45
演奏  A+~S  録音 92点


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