クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

Brahms Sym2 の記事一覧

ブラームス 交響曲第2番 オーマンディ(66)

2010.03.29 (Mon)
オーマンディブラ12
オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(66、SONY)はブラインドで聴いたら
このコンビとわかる人はいないのではないか。まっとうで重量感のある演奏。
この曲の規範ともいえる演奏。
録音はフィラデルフィアタウンホールで響きは多くなく当時の水準で明瞭な音。
第1楽章はごりっとした弦の出だしから入る。テンポは安定的
歌は適度でむしろ硬派な響き。低弦が強く重心が低い。
したがって華麗というこのコンビによく形容されるものとは違う。
非常に落ち着いたコクのある響きで木質の音。
第2楽章も弦が強く前面に出るので渋い。明るいアメリカでなく北ドイツの
どんよりとした曇りすら思い浮かべる。ただし、ムード的でなく音に芯がある。
第3楽章も落ち着いた表情だが時折せつない表情が垣間見える。
あくまで硬派を基調とするのでそんなところがかえって愛らしい。
終楽章のテンポも安定的でわめかず騒がず低い重心のまま進むオーセンティックな演奏。
金管などもはみ出すことなく凝縮されたオケの響きで歩む。
最後まで熱狂せずに堂々と寄りきる。真面目すぎるので加点がもらえないかも。
ともかく水準の高いブラームスを聴かせるオーマンディ。
こうなると第3番も聴いてみたい。望むCD化。

ところでこのCDにはブラームスのピアノ曲「ヘンデルの主題による変奏曲」を
イギリスのルブラが管弦楽用に編曲したものが併録されている。
重厚な交響曲の後では清涼剤のようなチャーミングな曲。
(保有盤はほかにヤルヴィ(父)とLSOのシャンドス盤くらい)
冒頭のトランペットの軽やかな演奏をはじめフィラデルフィアの
名手たちのための協奏曲のようでもある。

15:10  9:50  5:25  9:27   計 39:52
演奏  A   録音 88点

ブラームス 交響曲第2番 エッシェンバッハ(92)

2008.12.31 (Wed)
エッシェンバッハ/ヒューストン交響楽団(92)はこのコンビにぴったりの曲。
ドイツ的とはいえないが清新でロマンティックな演奏。
録音はブルー系のトーンで爽やかで伸びやか。
第1楽章は息を継ぎながらよく歌う。丁寧で叙情的。リピートするものだから21分以上かかる
最長の楽章。演奏は暑苦しくないので浸ることが出来る。
青春の爽やかさと苦味、それを回顧のノスタルジーが交錯する。
再現部の手前で一息入れて主題をゆっくり歌いだす表情は実に切ない。
ロマンティックが過剰に過ぎるぎりぎりだが音響が爽やかなのでいい。
緩急の入れ替えもあり一本調子で遅いわけではない。
第2楽章も引き続き甘酸っぱい。弦はフォルテでも強奏せず抑制が効いている。
弱音は繊細な伸び。ヴィヴラートもテヌートもほどほどだから嫌らしくならない。
第3楽章も鄙びた歌いまわしの後には快活な踊りだが、軽やかでソフトタッチ。
終楽章のテンポは一般的だが妙に厚ぼったくならず端正な表情は崩れない。
終結のアッチェレランドも予定調和の範囲内だがこの演奏にはそれでよい。

21:38  10:49  5:24  9:12  計 47:03
演奏  A+  録音  92点

ブラームス 交響曲第2番 バティス(98)

2008.12.31 (Wed)
バティス/メキシコ州立交響楽団(98)はノリノリの36分台で駆け抜ける(第1楽章リピートあり!!)。
録音は第1番に比べれば曲の作りもあって軽さやスケール感のなさが気にならない。
こじんまりオンマイク。
第1楽章は最初から元気がいい。ビート感あり。まっすぐ前を向いて進む爽やかささえ感じる。
ウェットな第3番では違和感を感じたがこの曲ではここまでやってくれれば受け入れられる。
豪快な弦が中心となり突き進む姿がある意味快感。
第2楽章も男性的ともいえる歯切れのよさと前進性。凝縮された弦はゴリゴリ感あり。
各フレーズは音を伸ばさずばっさり。
第3楽章は一分を過ぎるとプレストになる。オケがついていけないくらい。
終楽章も最初から飛ばす飛ばす。ワルターも速いがそれを上回るがあちらのほうは
オケが重量感あるニューヨークだがこちらは軽いメキシコ。聴いていると体がウキウキする。
ンチャ・ンチャ、ダンス音楽だ。もともとが速いので終結部はアッチェレランドかけようもない。
一気に終わる。

16:56  7:30  4:33  7:52  計 36:51
演奏  爆A 録音 90点

 

ブラームス 交響曲第2番 バレンボイム(93)

2008.12.31 (Wed)
バレンボイム/シカゴ交響楽団(93)は表情豊かな演奏に音も良い。なかなかありそうでない。
録音は、シカゴオーケストラホールでスケール感ある少しくすみも残したふさわしい録音で優秀。
第1楽章は、ゆっくり情感豊かに歌われる。大オーケストラの重厚感もある。
寄せては返す波動がすばらしい。録音が良いので各声部まで動きがくっきり。
弦の音色には欧州のオケのような色香はないが整然としている。金管は分厚い。
第2楽章は繊細なタッチでいじらしい表情。
第3楽章終結部のふっとした間が素敵。
終楽章は出だしはまっとう。静まり返るとぐっとテンポを落とし力を溜め込む。
最後の1分間の金管の豪快な盛り上がり(ティンパニがもっとオンマイクなら!)

15:27  9:44  5:31  9:19  計 40:01
演奏  A  録音 91点

ブラームス 交響曲第2番 カラヤン(78)

2008.12.27 (Sat)
カラヤン/ベルリン(78)はらしい演奏。録音はアナログ最終期でマゼール盤と同年録音だが
DGはやや硬質でフォルテでつまり気味。
第1楽章は美しい木管の誘導で始まる(フルート綺麗!復帰したツェラーか)。
テンポは遅滞なく盛り上がりは剛毅。ベルリンらしい引き締まった弦は時に厳しいほど。
第2楽章のチェロの歌はバーンスタイン/ウィーン(82)に比べるとよりストレートで色気は少ない。
カラヤンはパーツやフレーズにいちいちこだわらず合奏での力感を重視する。
これが時に単細胞?的は感じを出すが、曲想と合致すると無敵の威圧感と迫力をかもし出す。
この楽章では表情の豊かさでバーンスタインに軍配が上がる。
第3楽章の弦のトゥッティの硬質な強さと弾性はこのコンビの音だ。慈しみより運動性を重視。
終楽章は巨大で重量があり速い。この勢いは絶頂期の彼らの面目躍如。
コーダでは珍しくカラヤンの声も入る熱演。ワルターのような過激なアッチェレランドはないが
正攻法で直線的に押し捲る。最後のフィナーレは伸ばす。実演で聴いたらなら絶対興奮する。
3楽章までならA-だがやはり終楽章のド迫力に負けてA。

14:54  10:21  4:59  8:37  計 38:51
演奏  A  録音 88点


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