クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

Brahms Sym1 の記事一覧

ブラームス 交響曲第1番 オーマンディ(68)

2010.03.28 (Sun)
オーマンディブラ12
オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(68、SONY)はこの指揮者の4番のブログを
書いたときにそのほかのブラームスもよいとのコメントをいただいていたので
気になっていたがこのほど中古店でめでたく見つけたので購入。
そして聴いて驚いた。
素晴らしいではないか。恰幅はいいのに引き締まっている。終結はびっくり!
一体、我々は「オーマンディ」をどれほど誤解させられてきたことか。
録音はタウンホールでCBS時代の最終期の録音でややハイ上がりだが良好。
個々のパートと全体のバランスも良い。第4番のときに感じた不満はない。
第1楽章冒頭からこけおどしでなくこのオケの地響きが鳴る。
引き締まった重厚な弦楽セクションがすばらしい。
バランスがよく決して派手な響きでなく正統派の演奏。
第2楽章はフィラのヴァイオリンの強い押し出しが印象的。
ここはもう少し柔らかくてもいいかと思うが緊張感がある。
第3楽章は弛緩しない弦の流れの中にトランペットの軽やかな響きが印象的。
終楽章はこのオケの凄さを味わえる。
ホルン、フルート、トロンボーン。次々に出てくるソロパートはヴィヴラートで
ごまかすことなく素晴らしい。弦はシルクというよりもう少し凝縮された肌触り。
一途に真面目に力強い音楽。
逞しい響きで一切拡散することなく終結に突入する。
アッチェレランドかけて興奮をあおることはないが、弦や金管の強固な音に圧倒されていると、
やってくれましたティンパニ!
今までそれほど目立つこともなかったティンパニパートをトスカニーニ張りに追加し大連打。
オーマンディがニヤリと笑う大コーダだ。参りました。+を追加!

13:40  9:53  4:44  17:08   計 45:25
演奏  A+   録音 88点

ブラームス 交響曲第1番 ハイティンク(03)

2008.12.31 (Wed)
ハイティンク/ロンドン交響楽団(03)は小細工無しの真っ向勝負の名演。
録音はバービカンセンターでのライブで引き締まった音。重量感と明快さを併せ持つ。
聴衆ノイズはほとんど聞かれない。
第1楽章冒頭は重さであたりを払うような音隗。ロンドン響にこんな音が出せるのかと思うほど。
アレグロに入っても気力のこもった音が続く。音のエッジは立ちザクザク系。
決然とした表現はハイティンクの充実を物語る。昔の好青年がここまで大家になったのだ。
ここまで正攻法で自信に満ちた筆致で指揮できる人は今は少ない。
第2楽章も流していない。意志的で厳しくて疲れるほど。
第3楽章に来て優しい風が注ぎ込む。木管が美しい。
終楽章になるとまたもや北ドイツの冷たく暗い雲に覆われる。故にコラールでの開放が効果的だ。
硬いティンパニが音楽を引き締めている。歓喜の歌からも気を緩めることなく凝縮された音楽。
遊びはない。終結部に加速もかけずに押し通す。が、真面目で何が悪い、といわんばかり。
この演奏を聴いていてベーム/BPOの正統的後継者だと感じた。

12:38  8:35  4:40  17:07  計 43:00
演奏  A+   録音 92点

ブラームス 交響曲第1番 ベーム(44)

2008.12.31 (Wed)
ベーム/ウィーンフィル(44)は録音が古く演奏も後年のに劣る。
ドイツに併合されていた戦時下の記録で録音はSPからの復刻らしくヒスノイズを伴う。
第1楽章の開始はゆっくりで標準的な演奏。録音のせいでボワンボワンとしたティンパニで
全体が緩い。展開中の9:11にぐっと溜めて間を空ける解釈は珍しい。
筋肉質な迫力はBPO盤にはるかに及ばない。
第2楽章もウィーンにお任せという感じ。自然体といえば自然体。
貧しい音の向こうに鄙びたウィーンのオーボエやVnが聞ける。
第3楽章は標準的な演奏。終楽章も75年盤に近い(よりおとなしい)まっとうな演奏だが
それならば条件の圧倒的よいそちらの録音を聴けばよい。残念ながらわざわざこちらをとる
必要はない。ただベーム50歳のときはこのような演奏をしていたのだという記録的価値がある。
その15年後にはBPOと気迫に満ちたすばらしい演奏を残すのだ。
もちろん戦時下でどのような練習が出来たかわからないし割り引いて考える必要がある。

13:23  9:34  4:31  17:11  計 44:39
演奏  B  録音 72点

ブラームス 交響曲第1番 ケンペ(75)

2008.12.31 (Wed)
ケンペ/ミュンヘンフィル(75)はまじめな演奏。録音は当時の水準。
ややデッドで高域がややきついがSCRIBENDUM盤は痩せた音が改善された。低音は厚くない。
第1楽章は引き締まった造形美。中庸なテンポで、甘くなく筋肉質。硬派でまじめ。
正面突破の構えが悲愴感をもつ。
第2楽章も率直過ぎてムードや優しさに欠ける。ぶっきらぼうな男。
第3楽章は明晰で各楽器が良く聞こえる。木管の高域がややキンキン。
終楽章もまっすぐ。コラールのフルートが清清しい。金管も逞しい。
歓喜の歌以降も小細工なく直線的に進む。各声部がバランスよく見渡せる。
終結に向けての突進する一途に突進する迫力は見事。録音のせいでやや音が薄いのが難点。
全体の演奏に何処にも不満はない、がやはりあまりに愛想がないともいえる。
同じ方向ならベーム/BPOに軍配。

13:27  8:47  4:49  16:13  計 43:16
演奏  A-  録音 84点 

ブラームス 交響曲第1番 アーベントロート(49)

2008.12.31 (Wed)
アーベントロート/ライプチッヒ放送交響楽団(49)は終楽章が爆演系(バイエルンとのライブが
凄いらしいが未聴)。ライプチッヒの放送局SRKホールで行われたスタジオ録音だが
音源がやや遠く全奏では音が団子になるのとブーという低い持続ノイズがある。
時々ブチブチいうこのDSの正規音源はひょっとしてラジオ録音?
第1楽章は重量感ある冒頭だがティンパニは録音のせいか引っ込んでいる。
どっしり音楽が進みドイツを感じさせる。しかし、乗ってくると感情の高ぶりとともに
音楽も燃焼しテンポも緩急をしだす。
第2楽章も強靭な音楽。筆圧が強い。
第3楽章も強引な歌いまわし。
終楽章はなかなか演出が多彩。ただし録音が古いため雄大さが出ないのが残念。
コラールが終わり歓喜の主題の呈示が終わる頃からおもむろに加速を始める。
テンポの揺れが激しさを増す。めまぐるしい。
しかし流れとしての必然性が良く分からず録音も含めて乗れなかった。

14:19  9:35  4:51  16:32  計 45:17
演奏  爆B  録音 74点

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