クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ストラヴィンスキーペトルーシュカ の記事一覧

ストラヴィンスキー ペトルーシュカ オーマンディ(64)

2010.01.08 (Fri)
オーマンディペトルーシュカ
オーマンディ/フィラデルフィアO(64、SONY)は組曲ながら1947年ではなく
4管編成の1911版からの抜粋。当時のフィラデルフィアサウンドが楽しめる一枚。
この演奏はLP時代に買って大変気に入っていたがCDでの再発は輸入盤の
SONY「Essential Classics」シリーズのみでこれもすぐに市場から消えていた。
ずいぶん探したが最近たまたま中古CDショップで見つけ狂喜乱舞。
録音はタウン・ホールで当時としては優秀で十分現役。
LPで聞いていたときはもう少しふわっとした感触があったように思うが致し方ない。
少しBASSをあげると雰囲気が出る。
演奏は落ち着いたテンポのなか、金管・木管がキラキラ光り、弦はとげとげしくならず
余裕を持ったシルク&ゴージャス。打楽器・ピアノの粒立つ音もすばらしい。
曖昧さや作意のない正面からの演奏は気持ちがよい。
私が気に入っているのは「熊と農夫の踊り」以降シンフォニックな表現。
「御者の踊り」のザクザクした分厚い弦にしっかり打ち込まれる打楽器。
迷いのない終結。とにかく懐かしい名盤に再会できてうれしい。

1911年組曲版
10:01  4:38  14:16   計 28:55
演奏  A+  録音 89点

ストラヴィンスキー ペトルーシュカ ペトコフ (95)

2008.03.31 (Mon)
ペトコフ/プロヴィディブPO(95)は春の祭典で破天荒な演奏を繰り広げたが、
ペトルーシュカは力でねじ伏せることができない曲なので悪戦苦闘は必死だろうと最初は思った。
出だしから凄い勢いだがオケがついていけてない。
しかしペトコフはそんなことお構いなしで突っ走る。
スリル満点。音は軽くハイでキンキン音もする。(ややブーンというハムノイズもある)
騒ぎが収まり静かになると一転テンポをぐっと落とす。しかし粘らない。
管楽器の音程もなんかおかしい。あちこちで今まできたことのない音がする。
第三幕の「ムーア人の部屋」での金属音は何?
しかし、ただ荒いのでなく情景描写が非常に念入りで
一つ一つのフレーズはよく考えられ効果が計算されている。
トランペット、弦、木管のそれぞれの一音一音に表情がつけられており・・・楽しい!!
ここまで聴いてくるとこの指揮者は単なる力でねじ伏せるだけでなく
一生懸命自分で考えリスクをとって表現をしようとしていることがわかる。
次第にこの演奏に好感が持てる。
第四場「謝肉祭の夕方」に至って更に独自の表現が連続する。
主旋律とサブがひっくり返ったり。ここでも聞きなれない音が飛び出してくる。
楽器の音とは思えないような音も頻出する。
「御者の踊り」も完璧に「変!」。
ゴーッという地鳴りにプップカトランペットが劈く。テンポも自在に?動く。
「仮面の踊り」のめまぐるしさ。スコアを見たくなる。
そして「ペトルーシュカの死」のひんやりした空気。
音程の不安定な楽器がいろいろな音を出すため図らずも不気味。
ともかく二つとない演奏だ。

1947年版 
10:02  4:22  7:04  14:00   計 35:28
演奏  爆A  録音 89点

ストラヴィンスキー ペトルーシュカ モントゥー (59)

2008.03.31 (Mon)
モントゥー/ボストン(59)は古いながら優秀な録音で十分今でも耐えうる音質。
ボストンのシンフォニーホールでの録音。
版は書いてないがつなぎのドラムはなく音響からいって1911年組曲か。
このときモントゥーは84歳と高齢であったが初演者のいじを感じる自信ある進行と迫力だ。
第一場、「謝肉祭の日」の出だしのヴィヴァーチェは勢いはあるが
アンサンブルが崩壊しそうな(している?)スリル満点の演奏。
必死に食らいついているがその後もこうした場面が時々見られる。
テンポをかなり急激に変化させるためついていけてる奏者とそうでない奏者がいる。
3日にわたる録音なのだからとり直せばよいと思うが、
指揮者は精緻さよりも市場の喧騒、生命力を取ったのだろう。
「ムーア人の部屋」は濃厚だ。バレエ音楽ということで舞台を髣髴とさせる。
最近のさっぱり系の演奏とはだいぶ違う。
ここらあたりに来るとボストンのオケは相当にレヴェルが高いことがわかる。
遅めのテンポでティンパニの一撃が凄い。
第4場に入ると遅めのテンポでそれぞれの場面を入念に振り分けていく。
「御者の踊り」では徐々にテンポを上げる面白い表現が見られる。

1911年版
10:09  4:08  7:36  13:00   計 34:53
演奏 A-  録音 85点

ストラヴィンスキー ペトルーシュカ 自作自演 (60)

2008.03.14 (Fri)
ストラヴィンスキー/コロンビアSO(60)は1911版もあるがこちらは組曲版。
同じ年に違う版を録音しているのも面白い。
大きな違いは管編成になり第3場がカットされていること。
第4場の終結部も演奏会用に短くなっている。
演奏の傾向は1911年版と同じでさっぱりしたもの。
感情移入はほとんどない。
オケは母体がどこかわからないが指揮のせいか少しつらいところもあるし、
シンフォニックな厚みのある音ではない。
しかし、「御者の踊り」「終曲」などは結構頑張っているし打楽器陣も大たたきしている。
組曲  9:39 4:10 10:14 計 24:03
演奏  B+ 録音 87点


ストラヴィンスキー ペトルーシュカ ショルティ (93)

2008.03.14 (Fri)
ショルティ/シカゴ交響楽団(93)はこのコンビならもっといけるのでは?と思う演奏(1911年版)。
ショルテイのストラヴィンスキーといえばどうしても74年のハルサイの強烈な印象があるので
それと対比すると20年後のこの演奏はずいぶんおとなしくなったものだと思う。
録音も含めてより角の取れた落ち着いた演奏となっている。
まあ、指揮者もこのとき71歳になっているので当然か。
第1部からオケのなりは悪くないが昔のこのコンビのバリッとした鮮烈さはない。
それどころかややもたつくようなところも見られる。
その後、トランペットなどのソロの活躍するところではシカゴの名技を堪能することができる。
しかし昔ならトゥッティなどもっと豪快にならしたりリズムの切れなど
あっただろうにと思う場面にしばしば出会う。
「御者の踊り」など単純に大きなリズムを刻むところはゴージャスだが
テンポが速くなっていくとやや甘くなる。
かといってバーンスタインのように演出巧者かというとそうでもないため
群雄割拠の中、分が悪い。

1911年版
10:00  4:16  6:40  13:50  計 34:46
演奏  B+  録音 91点


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