クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

Beethoven Sym1 の記事一覧

ベートーヴェン 交響曲第1番 レイボヴィッツ(61)

2018.02.17 (Sat)
reibovittu.jpg
レイボヴィッツ/ロイヤルフィル(61、SCRIBENDUM)はギュッとした躍動感。
弦が鮮明で演奏もフレッシュ。快適なテンポで丸みを帯びず鋭さを持つ。
面白く聴かせようという作為は皆無。直球勝負だ。

録音時点では余分なものを削ぎ落したこの演奏は大層鮮烈だっただろう。
ただピリオド以降の演奏を耳にしてきた今はそれほど尖って聞こえないのも事実。
しかし、ルネ・レイボヴィッツ(1913~72)はストレートにスコアを見つめ
メトロノームに向き合った初めての指揮者だった。
レイボヴィッツ
むしろピリオド軍団は彼の理念を20年たって具現化してきたといえるのかもしれない。
そうした意味で歴史的な意味をもつ記録。

録音はロンドン・ウォルサムストウホールでのセッション。
walthamstow21.jpg
もともと米リーダーズ・ダイジェスト社によるLPだが、録音は英DECCA陣が受け持っている。
このため当時のDECCAと似た音がする。
全奏の場面では流石にテープ収録の限界が出るが、新鮮さを維持したリマスターだ。

8:20  6:05  3:12  5:42   計 23:19
演奏    A    録音  87点

ベートーヴェン 交響曲第1番 シャイー(2007)

2018.02.16 (Fri)
シャイー12
シャイー/ゲヴァントハウス管弦楽団(2007、DECCA)は爽快な風。

P・ヤルヴィ盤(2006)を聴いて同時期の本盤を聴き直してみたくなった。
この盤もピリオド旋風が吹きぬけた後の21世紀モダンオケ演奏。
このベト全は超快速ということで賛否があったと思うが、
この第1番も保有盤中(リピートあり)最速の23分。
しかしそのテンポは納得いく軽快さ。

音の刺激という意味ではP・ヤルヴィの方が上だ。
一部にピリオド楽器を取り入れたうえで、果敢な表現意欲を持ち、
金管やティンパニの容赦ないアクセントの打ち込みが目立ったからだ。
ただ、やや聴き疲れするのも事実。

一方、こちらのシャイー盤は響きがそこまでむきでしでなく、
ゲヴァントハウスのウッディな音を背景に心地よいスピード感。
音の立ち上がりも明快で20世紀の重厚なフルオケ演奏と明らかに違うタイプ。
軽さの中にモーツァルトやハイドンが聞こえてくる。
私はこの演奏が好きだと感じた。

録音はライプチッヒのゲヴァントハウスでのセッション。
全体と個がセンス良くまとめられている好録音。
Gewandhaus_Leipzig_bei_Nacht.jpg

8:00  6:27  3:13  5:29   計 23:09
演奏   A+    録音  94点

ベートーヴェン 交響曲第1番 P・ヤルヴィ(2006)

2018.02.15 (Thu)
beethoven_dkm_5-1.jpg
P・ヤルヴィ/ドイツカンマーフィル・ブレーメン(2006、RCA)は
一刻一刻動感に満つ。

ピリオドを潜り抜けてきた21世紀型演奏の全集からの一枚。
モダン楽器によるピリオド奏法。全編さっぱり音を切り、パッションは強い。
die_deutsche_kammerphilharmonie_bremen.jpg
第1楽章の序奏を過ぎるとスフォルツァンドの繰り返し。
最初は新鮮だが忙しないともいえる。
第2楽章は速い、そして楽しげ。
第3楽章もティンパニの強打もあり攻撃型。
終楽章は軽やか。ここでもアクセントが鮮烈。
ベートーヴェンの時代にこのような刺激的な演奏が行われたなら皆卒倒だろう。

録音はベルリンのフンクハウスでのセッション。
ブレーメンのオケだがこの全集の録音はベルリン。
ブレーメンベルリン
生々しい音が記録されている。

8:22  6:28  4:00  5:32   計 24:22
演奏   A   録音 94点

ベートーヴェン 交響曲第1番 カラヤン(53)

2018.02.14 (Wed)
カラヤンベト11953
カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団(53、EMI)はコンパクトに逞しい。
リピートせず淀まず、全体が23分ほど。
但し軽くはなく、引き締まった響きながら重厚に鳴らしている。
音色に着色なくまさにフィルハーモニアだが、低域からの安定感ある音。
トスカニーニをベースに肉付きをよくした感じ。
平衡感覚に富んでいて規範的だが終楽章など怒涛の迫力がある。
カラヤンとレッグ
録音はキングスウェイホールでのセッション。
モノラルで響きは少ないが非常に聴きやすい。
ウォルター・レッグと順調にタッグを組んでいたころのもの。

7:33  6:15  3:45  5:42   計 23:15
演奏   A   録音  80点

ベートーヴェン 交響曲第1番 モントゥー(60)

2017.04.22 (Sat)
モントゥー18
モントゥー/ウィーンフィル(60、DECCA)はただ聴けば良い。
どこまで指揮者でどこまでウィーンフィルの魅力なのか。
基本的には大枠をモントゥーが後はオケの自発性を尊重したような。
それが成功している。

ピエール・モントゥー(1875~1964年)は生粋のパリジャン。
Monteux-Pierre.jpg
しかしレパートリーは大変広い。
そして晩年の録音でも全く弛緩が無い奇跡的な感覚をもつ指揮者だと思う。

第1楽章いきなり弦と管がスタートする。その瞬間往時のウィーンに飛ぶ。
なんといってもウィンナ・オーボエの独特の音色がいい。
当時はヤマハ以前のツレーガーの音だと思う。
oboe-vienc3a9s-zuleger.jpg
この雅な音はバルビローリのブラームスでも印象的だった。

音楽の流れは実に自然。
後続楽章でも基本的に同様。第3、4楽章は特に颯爽としており軽やか。
あのトスカニーニやカラヤンより速いくらい。齢85にしてこの若々しさ。
気負いも衒いも無いかっこよさ。

録音はウィーン・ソフィエンザールでのセッション。
今は焼失してしまったこのホールの録音は好き。
勿論ムジークフェラインが本来の姿なのだろうが、
非常に明晰で音楽が締まって聴こえる。
対向配置の弦の掛け合いや鮮度の高い木管など印象的。
当時RCA傘下にあったDECCAの録音の優秀さを感じる。

9:01  6:05  3:21  5:30   計 23:57
演奏   維A+   録音  87点
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