クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

Bruckner Sym0 の記事一覧

ブルックナー 交響曲第0番 インバル(90)

2013.03.02 (Sat)
インバルブルックナー0
インバル/フランクフルト放送交響楽団(90、TELDEC)はこの曲の再現の難しさを感じる。
工夫を凝らすとアラがでる。むしろバーテルノストロのように何もしてないような
作り方の方がこの曲を宗教曲のような独自の世界を感じさせる。

録音はアルテ・オパーでのセッション。
空間の広さは妥当ながら強奏時の透明感ではもう一歩。地味な印象。

第1楽章はインバルが一生懸命聴かせようとしている。
テンポの変化、楽器の受け渡しのメリハリなど苦心している。
しかしそれがこの曲では裏目に出たような気がする。
インバル特有の唸りも邪魔。終結の金管の濁りも気になる。

第2楽章も敬虔さとか自然というより意志の力がある。
低弦のガツッとした動きなど。終結は美しい。

第3楽章は冒頭の金管の強奏に驚く。前楽章の終結が無音に近いから。
プレストでぐいぐい。意志的な激しさに混濁を伴うのがつらい。

終楽章は力感がある。やや金管に比重のある作りのため上っ面の
力任せの迫力に感じてしまう。最後の最後までこの感触が取れなかった。

15:06  12:47  6:13  10:00   計 44:06
演奏  A-   録音 89点

ブルックナー 交響曲第0番 バーテルノストロ(06)

2013.02.28 (Thu)
バーノブル全
バーテルノストロ/ヴュルッテンベルク・フィル(06、ANTES)はこの全集最後の録音。
1997年から2006年にかけて演奏されたライブ録音の全集だがこのゼロ番まで含んで
いるのは良心的。そもそもこの曲は1869年作曲(ブルックナー45歳)だから
1866年に完成された1番より後である。
こうした事情を反映して最近は全集に含むものが増えたが、以前ははずされることが
多かった。音楽的には確かに緩い面もあるが、それがかえって癒しとなる。
この演奏はそうしたこの曲の特徴を増長させた演奏だ。

録音は17世紀に建てられたドイツ最大のバロック式ヴァインガルテン・バジリカでの
ライブとのことで大残響。後期の交響曲では違和感があるがこの曲では武器にもなる。

第1楽章は優しい音楽だ。テンポは穏かで大きな響きに包まれ優しく歌う。
楽章の中盤(7分半あたりから)弦が静謐の中そっと歌い
木管が囀るくだりは抜群に美しい。意志的な強固さは最後まで見られない。
首尾一貫している。

第2楽章アンダンテは音の密度が薄くさらさらしているがこの盤は
残響がいい感じで雰囲気を演出している。
作曲者に妙な気負いないので第7番のアダージョのような突然の力みはなく、
金管・打はでてこない。そうした音楽をこの演奏は慈しみを持って描く。
この敬虔な空気は貴重だ。

第3楽章も強圧的ではない。トリオなど音楽のひねった進行も素敵だ。

終楽章は音楽的になんとか格好をつけようと作曲者が無理している。
この演奏はそんなに無理しなくていいよ、と言いながら明るく優しく進行。
マゼールの立派な演奏とはまた別の世界。
なお、演奏終了後のイマイチぱらつきのある拍手は収録しなくてもよかった?

15:59  13:18  7:20  12:35   計 49:12
演奏  癒A  録音 91点

ブルックナー 交響曲第0番 マゼール(99)

2012.01.14 (Sat)
マゼールブル全BR
マゼール/バイエルン放送交響楽団(99、BR)は
第1番についで書かれたこの曲の独創性を描く。
初めてこの曲を聴いたような印象を与える。
巨大なスケールと密やかさを同居させた演奏。
当初予定していたこの曲の柄を演奏者が軽く超えてしまった様な気もする。

録音はガスタイクホールでのライブ録音。この曲のライブというのも相当珍しいが、
全曲演奏というテーマがあったから実現したもの。
このシリーズ共通でライブらしさを残した優秀録音。

第1楽章の冒頭の歩みは他の演奏のどれとも違う。
ゆったりしたテンポは行進でなく、話を始めるよ、といっているよう。
音楽は繊細を極め、森の中を一人逍遥。鳥の囀り。
やがて展望が開け巨大な景色が展開。
やや散漫な音楽も「散策」とすれば合点もいく。
終結の重厚さはこのオケならでは。18分半をかけたこの演奏はダントツに長い。
第2楽章はむしろ速め。
これまたまとまりを欠くような楽章の不思議さを正面から捉える。
第3楽章は初期ブルックナーの典型的リズムと形式。
この演奏は中間部に意味を持たせ両端を豪快に対比する。
終楽章序奏で木管のオスティナートに乗り弦が優雅に泳ぐのは
チャイコフスキーの白鳥の湖を想起させるが、
ラッパとともに進軍が始まると音楽は一気に巨大さを纏う。
全体にバロック音楽のような雰囲気。
作曲順で言えば、第1と第2の間に来るこの曲が複雑な経緯で
0番になってしまったわけだが、この演奏は結果的にこの曲の特異性を示し
0番の位置づけの妥当性を証明する結果になった。

この演奏に対しても聴衆は戸惑うことなく盛大な拍手を送る。
この曲をこれほど立派な演奏で聴けると思っていなかった
聴衆の素直な反応ではないか。

18:25  11:39  7:54  10:49   計 48:47
演奏  A+   録音 91点

ブルックナー 交響曲第0番 ロジェストヴェンスキー(83)

2007.05.20 (Sun)
ロジェストヴェンスキー/国立文化省交響楽団(83)は風呂場音場の中ゆったりした進行を
見せるが終楽章は速い。
ロシアンブラスの活躍の場面も少なく安心して(?)聴いていられるが、
逆に見せ場もなく敢えてこの演奏を選ぶという理由はない。

15:09  12:48  6:55  9:44  計 44:36
演奏  B    録音  83点


ブルックナー 交響曲第0番 スクロヴァチェフスキー(99)

2007.05.20 (Sun)
スクロヴァチェフスキー/ザールブリュッケン放送響(99)は、このシリーズに共通する
透明で軽やかな音がこの曲にマッチ。
シベリウスにも通じる響きだ。
アダージョは寒々しい。
スケルツォはヴォーン・ウイリアムズを想起させる英国的な顔も。
終楽章も重厚な迫力はなく小気味よくまとまる。

13:53  13:21  6:44  10:56   計44:54
演奏  A-  録音 90点

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