クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

Dvorak Sym6 の記事一覧

ドヴォルザーク 交響曲第6番 ヴァーレク(2003)

2016.05.29 (Sun)
ヴァーレク全集
ヴァーレク/プラハ放送交響楽団(2003、supraphon)は無骨な六番。
骨格がしっかり筋肉質。
ヴラディミール・ヴァーレク(Vladimír Válek,1935年9月2日 - )は、チェコの指揮者。
1985年から2011年までプラハ放送交響楽団の首席指揮者であった。
チェコのオケというとチェコフィル、プラハ交響楽団、そしてこのオケという感じであろうか。

さて、このコンビのドヴォルザークは自然体の素朴さがある。
冒頭より何か特別なことはやらず日々のありのままのドヴォルザークを
演っている感じ。テンポは快適で全体で40分半というのは最短レヴェル。
緩急の差を凄くつけるということはなく一様に速め。
表情もこったことはない。作品そのままを鳴らす。
ウィキペディアには”指揮のスタイルは直線的で忠実に拍子を合わせ
それほど大きな動きはしない”と書いてあるが、出てくる音楽もその通りだと思う。
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録音はチェコ放送スタジオでのセッション。
オケをいれるとそれほど余裕のない会場のよう。
残響は少なく、響きが曖昧になることはない。
その分合奏の精度などが化粧できずもろにでる。
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13:36  9:49  6:55  10:16   計 40:36
演奏   A    録音   91点

ドヴォルザーク 交響曲第6番 スウィトナー(79) 

2016.05.26 (Thu)
ドヴォルザーク6スウィトナー
スウィトナー/シュターツカペレ・ベルリン(79、DS)は流麗にして多彩。
流して綺麗に仕上げるのでなくしっかり指揮者の指示が各楽器に届いている。
フルートのひと囀りも表情豊か。

第1楽章はチャーミングな木管と清冽な弦が印象的。
指揮者は抑揚をしっかりつけながら進む。なかなか張りがある。
盛り上がる場面では金管は雄渾。

第2楽章も流れはよくすいすい行くが、木管の美しさが光る。

第3楽章は遅めのテンポだが、ドコドコ・アクセントはつく。
ティンパニもいい感じで叩いている。名人技。

終楽章は骨格が立派でドイツのオケを見せ付ける。
ゴシック体の楷書。
正攻法で進みながらも各音源が聴こえる整理された音楽。
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録音は東ドイツ・ベルリン・キリスト教会でのセッション。
アナログ完成期で会場の澄んだ響きも手伝い大変聴きやすい。
リマスタリングにおいて清涼な空気感を残している分ヒスは若干残る。  


12:38  10:10  8:30  9:55  計 41:13
演奏   A+ 録音  89点

ドヴォルザーク 交響曲第6番 アーロノヴィッチ(84)

2016.05.14 (Sat)
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アーロノヴィッチ/ストックホルムフィル(84、BIS)は爆演間近。
ユーリ・アーロノヴィッチ(1932~2002)はソ連出身のイスラエルの指揮者。
私の保有盤はヴァーシャーリのピアノのラフマニノフのピアノ協奏曲全集ぐらいで
イメージの湧かない指揮者だったのだが、
昔に購入していたストックホルムフィル創立75周年記念BOXに入っていたのを見つけた。
1982年から5年間このオケの首席だったようだ。
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演奏時間を見ても分かるが第2楽章以外は保有盤の中でも最速ベース。
しかし第2楽章は木管を歌わせ非常にロマンティック。
一転ゆったり12分かける(わざわざフルート、オーボエ奏者名が記されている)。

またその他楽章も単純にスピーディというのでなく緩急がついている。
従って速い部分はタイムで見る以上だ。
この緩急の激しさのためかこの名門オケも時々ついて行くのに苦労している。
一気に聴き終えるが、なかなか爽快でエネルギッシュ。
この曲の穏やかな田園的側面とはまた違う面を知らしめてくれる。

特に終楽章はアクセントが明快でアップテンポでマーチのように前へ前へ。
音楽がもたつく(と指揮者が判断した)数小節がカットされているが
それにしてもの8:25は快進撃の証。
この楽章は爆演といっていいのではないか。

アーロノヴィッチ、
今は亡き人だが、実は相当個性的な指揮者ということが分かった。

録音はストックホルムコンサートホールでのライブ(アナログ)。
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放送用音源っぽいまっとうな収録だが僅かにテープのヨレが見られる。
聴衆在籍の真性ライブの一発録りだが、ノイズは少なく響きも適度で聴きやすい。

12:16  11:57  7:51  8:25   計 40:29
演奏   進   録音  84点

ドヴォルザーク 交響曲第6番 ノイマン(72)

2016.05.08 (Sun)
ノイマン全集旧2012リマスター
ノイマン/チェコフィル(72、SUPRAPHON)は豊かさと溌剌感。
冒頭のワクワク感からすぐの頂点の高揚感が象徴的。
キチキチッとしたメリハリは新盤よりこちらの方が強い。
第1楽章や第3楽章フリアントなどで特にそれを感じる。
とは言え、ノイマンの音楽は本来それほど激したものではなく
他の演奏と比べて物凄く刺激的ということはない。

演奏全体は誠に自然で堂に入っている。
微妙な溜めや間などオケと指揮者の息が合っているのが分かる。
ノイマンコンサート
ただ、確かに名盤なのだろうがより溌剌さを目指すなら
今ではダウスゴーや端正なセレブリエールがある。

この演奏はまさに正統自然派だが、
それならばより条件の良い82年盤の方がよい。

録音はプラハ、芸術家の家でのセッション。
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2012年のリマスター盤で聴いているが非常に新鮮な音である。
全奏がフォルティッシモで鳴る時高域が僅かに硬調になるのは致し方ないだろう。
スピーカーで聴いた場合は目立たないがモニター・ヘッドフォンで聴くと分かるレベル。
ルドルフィヌムは歴史的な名ホールであるが、聴衆の居ないセッション録音では
響きが多すぎる。この曲でも夢見るような場面ではその響きが極めて有効だが、
トゥッティでは音が重なり合ってしまうのが惜しい。
石造りのない日本のホールではなかなかない音響だ。

13:45  10:03  8:26  10:45   計 42:59
演奏   A    録音  89点

ドヴォルザーク 交響曲第6番 ノイマン(82)

2016.05.07 (Sat)
ノイマン672
ノイマン/チェコフィル(82、SUPRAPHON)は72年盤と同じテンポ感だがより穏やか。
冒頭のリズムを聴いただけでも旧盤はスキップしながら最初の頂点を築くのに対し
こちらはもっと包容力があり落ち着いている。
かといって、ノイマン(1920~95)はまだこの時62歳。
老いて、ゆるゆるになっていたわけではない。
ルドルフィヌムの壮麗な響きを活かしてしっかりクライマックスを築く。
表情の作り方は以前とほとんど変わっておらず区別するのが難しいくらいだ。
アクセント、オケのダイナミクスの幅、金管や弦の扱いが少しまろやかにという程度。

ノイマンのドヴォルザーク全集の新旧どちらがよいかというと曲によって
違うのだが、穏やかさを内包したこの曲では録音も含め、新盤の方が好みだ。
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なお、チェコフィルはここでも全く持って自信を持って鳴る。
木管の響きは独特だし、ホルンはまだ東欧という時代を感じさせる
(ロシアのオケほどではないが)。それが独自のローカル色を出す。
第2・3楽章などことさらそれを感じる。
終楽章は堂々とした歩みでシンフォニック。
奇を衒うところはなく、全編安心して身を任せられる。

録音はプラハ、芸術家の家でのセッション。
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旧盤と同じ会場での録音のなので音響は同じ。
この会場の録音では響きの多さから細部が混濁するものもあるが、
この録音は免れている。
また、旧盤に見られる堅さもなく本拠地のチェコフィルを味わえる。
各楽器の輪郭の明快さもこちらの方が勝る。

13:38  10:28  8:19  10:43   計 43:08
演奏   A+    録音  90点
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