2010.02.12 (Fri)
カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団(60、EMI)はフィルハーモニア、ウィーン、ベルリンと
超多忙を極める時期のカラヤンの記録。ステレオ初期のころ、この曲を聴こうとしたら
第一に指を折られた演奏。録音はキングスウェイホールで
ウォルター・レッグとの最終段階での仕事。
カラヤンエディションのリマスターでヒスは抑えられているが全体はややセピアで温い。
第1楽章は後年のベルリンのものと比べれば穏やかに聞こえるのは録音の鮮度の問題か。
一皮剥けばやはりこの時代の率直なカラヤンがいる。
第2楽章は後年の録音とテンポやレガートの多用は変わらないがフォルテにおける
威圧的な態度はない。終結の於けるロマンティックな表情も特色。
第3楽章も良く歌うが後年ほど演出過剰でない。
第4楽章がもっともベルリン盤と違うかもしれない。堂々恰幅はいいが、テンポは1分以上
速く表情も自然。じっくりじっくり持っていき開放するが、これ見よがしの大音響では
ないのは録音の差もあるかもしれないが、ともかくシベリウスの範囲内。
全体的に観て普遍性を持つ演奏だと思うが、
懐古的な面を捨てると録音点を考え敢えてこの盤を薦めるだろうか。
10:04 14:29 6:08 15:19 計 46:00
演奏 B+ 録音 85点
この2番のCDは5番がついてお徳用になっていますが、デザインがつまらない。ところで、CD時代になって初めてハンニカイネンのが東芝から発売され、最近聴き直したところ、端正なスタイルの中できめ細かな表情付けが成されていることに気が付きました。5番と共に味のある演奏です。