クラシックCD聴き比べ

学生の頃は一枚一枚のLPを大切に聴いていました。しかし、CDが容易に入手できるようになり買っておくだけということも・・・。そんな自戒と演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ドヴォルザーク 交響曲第9番 ケンペ(71)

ケンペd9
ケンペ/チューリッヒトーンハレ管弦楽団(71、Scribendum)はスマートではなくぎこちないが
ロマンと情熱を湛える。録音がよければ高い評価になった。
録音はTUDORレーベルが原盤でトーンハレのスタジオだがホールのような広大な音響。
但し、スクリベンダムの復刻がいまいちなのか私の保有盤の問題か位相が安定しないところが。
総奏では響きが重なり合い団子状態に。
第1楽章からケンペの音楽性が示されぶっきらぼうな中に男のロマンを感じさせる。
正攻法なのだが単純に音を鳴らしているのではなく味がある。
第2楽章もそっけないフリして美しい。徐々に感興が高ぶる。
切なくロマンティックな表現。夫々のフレーズが自在な表現。
第3楽章はテンポは普通だが躍動感がある。洗練されてなく無骨なダンス。
但し録音が飽和する部分がありリズミックな表現をスポイルする。
終楽章はストレートに突進する。この真正面からぶち当たる潔さがいい。
コーダにはティンパニのロールを随時補強しながら男性的に盛り上がる。
オケを綺麗に整えない。アッチェレランドのかかる終結は轟音状態。
最後の一音は一瞬のためを作りかなたに消える。

9:43  11:10  7:50  10:39   計 39:22
演奏  A-   録音 83点

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ドヴォルザーク 交響曲第9番 バティス(87)

バティスd9
バティス/ロンドンフィル(87、SEGUNDA)は爆演を期待すると裏切られる。
とはいえ終楽章はバティスの面目躍如。
録音は繊細さにやや欠けるがこの時期の標準。
第1楽章は非常にゆったり入り、冒頭のホルンのシグナルも長〜く伸ばされるが
本題に入ると一般的なテンポとなる。全体的にロンドンの金管を生かした力強い演奏だが
小細工も繊細さもなく単調の感。
第2楽章は非常に丁寧に音が紡がれる。13分半かけて叙情の世界。バティスとは思えない。
第3楽章も全く粗くならずまっとうに造る。
終楽章は力感がある。1:20からはダンダンダンダンとリズムが強調され面白い。
オケはここではやや粗い響き。全体的に明るく能天気な音楽。金管など楽しそう。
アクセントが明確に取られる。終結にかけては細かな表情と豪快な表現を織り交ぜる。
尻上がりだが全体の出来はやや中途半端。

9:52  13:31  7:38  12:06   計 43:07
演奏  A−   録音 86点

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ドヴォルザーク 交響曲第8番 ジュリーニ(78)

jyuri-ni.jpg
ジュリーニ/シカゴ交響楽団(78、DG)はショルティの君臨するシカゴに全く別の行き方で
深い表現をしていた時期のもの。
このドヴォ8は遅いテンポで(といってもコンセルトへボウとの再録は更に遅くなる)粘液質的。
録音はシカゴのオーケストラホールだがデッカの録音と比較するとやや硬くDレンジも狭い。
第1楽章は揺るがせないテンポの中カンタービレ全開で丁寧。オケはうまいが
いわゆるチェコ系の「自然」の音はしない。
特にトゥッティになるとシカゴの金管がバリバリ入ってくる。
第2楽章もゆったりしたテンポで安定感ある出来。万全なのに美しさが今ひとつなのはなぜか。
第3楽章はネットリまとわり着く弦の歌い回しには好悪が出よう。
よろめき古風なメロドラマ風。しゃくりあげる。テヌートする。私はやや苦手。
全体にややぎこちないのはオケの共感が足りないのでは。
終楽章は慌てず騒がず、ずっしりした進行を基本としながら総奏で金管が炸裂。
ワンフレーズワンフレーズ大切に歌いこみ、弦の刻みなど普段は聴こえないものが
珍しく聴こえる。横綱相撲で終結。

10:48  11:25  6:48  10:38   計 39:39
演奏  A-  録音 86点

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ドヴォルザーク 交響曲第8番 ホルヴァート(94)

ホルヴァートd8
ホルヴァート/ウィーン放送交響楽団(94、POINT)は録音はともかく演奏は表情豊かで
田舎の雰囲気がある。機能性を活かしたカラヤンなどの対極。
録音はティンパニが遠景でフォーカスが甘い。全体は自然だが強奏での安定感がいまいち。
第1楽章は伸びやかさを基本としながらも歌心にあふれた演奏が心地よい。
オケは素朴な音で好感が持てるが録音がフォルテで鈍重なため損をしている。
第2楽章も柔らかい音色で田舎の雰囲気が漂う。このオーストリア放送協会所属のオケは
機能性というよりローカル色が強い。
第3楽章も適度にロマンティックで懐かしさにあふれる。
いろいろな意味ですべてがやや甘いところがなんともいえない味わい。
終楽章の導入など素人オケのような地味な歩み。その後のフルートの速いパッセージなど
なんとも苦しい。コーダにかけても録音が飽和感があるのが惜しい。
素朴さに欠けては筆頭格の演奏だが録音を考えると一般にはお勧めするのは難しそう。

10:05  10:56  5:57  9:51   計 36:49
演奏  B+  録音 87点

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ドヴォルザーク 交響曲第7番 ミョンフン(95)

ミョンフンd7
ミュンフン(最近はミョンフンと表記)/ウィーンフィル(95,DG)は流麗・豊麗を基調としながら
後半2楽章では巨大なティンパニが音楽の方向性を変えてしまうくらい活躍する面白い演奏。
録音はムジークフェラインでたっぷりした音響。
第1楽章は美しい。滑らかでシルクの音楽。ムキになることはない。
フォルテでも弦はもとより金管も荒れない。
第2楽章もその流れ引継ぎ美しい。
第3楽章も同じかと思っているとティンパニによる楔が入る。
ティンパニのバチは硬くなく柔らかいが強打されるため音の輪郭は甘いがボワンと大きい。
終楽章も流麗ながら一層ティンパニが前面に出る。
あまり通常は目立たない場面でティンパニが突入する。
運動性はあるが音楽全体の熱気はそれほどでもないのにこの打楽器だけがやたらと出る。
終結は図太い迫力。

11:05  10:00  7:02  8:56   計 37:03
演奏  A   録音 91点

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