クラシックCD聴き比べ

学生の頃は一枚一枚のLPを大切に聴いていました。しかし、CDが容易に入手できるようになり買っておくだけということも・・・。そんな自戒と演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

ハイドン 交響曲第102番 D・R・デイヴィス(2000前後)

DRデイヴィスハイドン全集
デニス・ラッセル・デイヴィス/シュトゥットガルト室内管弦楽団(2000前後、SONY)は
全集の一枚。音は新鮮でいいのだがやや真面目すぎてハイドン特有の愉悦感に乏しい。

録音はシュトゥットガルトのメルセデス・ベンツセンターでのライブで
広くはない会場で曲に丁度いい。

第1楽章は非常にゆっくりと折り目正しい進行。
バーンスタインも9分台だが緩急の落差が激しいのに対してこちらはインテンポ。
チェンバロによる通奏低音が古雅な雰囲気を醸す。
音はしっかりしておりアクセントも付いているのでなだらかなBGMとは言えない。
ドイツの行進曲のような四角四面的まじめさ。
第2楽章もゆったりとした時が流れる。
第3楽章もまじめにリズムを刻む。あまりにも表情が一面的。
まさか102番で全集のやっつけ仕事ということではないだろうが・・・。
音の強弱がデジタル式でゼロ百のような感じ。
終楽章はこれまた安定的なテンポ。どっしりシンフォニック。
終わるとブラヴォーの声がかかるが
拍手の数から聴衆は少なく熱心な聴き手が来ていることが分かる。

誠実な演奏ではあるが、何としても愉悦が欲しい。

9:56  6:30  6:22  5:14   計 28:02
演奏  A-   録音 92点

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ハイドン 交響曲第102番 アーノンクール(88)

アーノンクールザロモンセット
アーノンクール/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(88、TELDEC)は
現代オケの柔軟性多様性と古楽的思い切りの良さのいいとこどりをしたもの。
奇抜ではなく音楽的に充実。

録音はコンセルトヘボウの本拠地で豊かな響きだがボテっとしたところはなく美しい。

第1楽章はしなやかで変化に富む。
このオケにピリオド奏法をさせながらも、シルクのような響きを出す。
テンポはゆったりだが入念な表情で昔のぶっきらぼうだけではない。
第2楽章は弦の美しさを堪能。現代オケの良いところが出ている。
ノンヴィヴラートにこだわらない。
第3楽章は一転くるくると躍動する。スフォルザンドの効果が凄い。
中間部は穏やかだが両端の対比が鮮烈。
終楽章は奔流する。軽やかで美しくそして強い。
木管の囀りも素敵。
終結にいたるおちゃめな表情は指揮者の笑顔が想像できる。

8:44  5:05  4:54  4:49  計 23:32
演奏  A+   録音 93点

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ハイドン 交響曲第102番 バーンスタイン(62)

バーンスタン88102
バーンスタイン/ニューヨークフィル(62、SONY)、指揮者はこの曲が大好き。
1959年のヤング・ピープルズ・コンサートではこの曲の終楽章を取り上げて
ハイドンの楽しさを伝える。
また、1971年にウィーンフィルに客演したときにはこの曲を真っ先に演奏している。
私もハイドンの交響曲の中でこの曲が好きなのはこの盤に接したからだ。

このころのバーンスタインの特徴として遅いところはより遅く、
速いところはより速くして曲の振幅が大きいところだが、
この演奏の前者が第2楽章で後者が終楽章だ。

録音はフィルハーモニックホールで音場は広く爽やかな音。
ヒスはこの年代なのである程度やむをえないが気になるほどではない。

第1楽章の序奏は極めて入念。ロマンティックに沈み込む。
一転大オーケストラの低弦が唸る。
第2楽章も濃密な演奏で7分を超える。表情は豊かで耽溺する表情はロマン派音楽。
第3楽章は平均的。お楽しみに備える。
終楽章はとにかくびっくりの前のめり。
あわや3分台で終わるのかと思うほど。保有盤最速演奏。
しかし、そんな中になんというユーモアをたたえていることか。
愉悦の極致。
ニューヨークの弦も凄い。体が自然にリズムをとってしまう。
曲芸みたいだが、この楽しさは代え難い。抗し難い。

9:02  7:02  6:00  4:06  計26:10
演奏 S愉    録音 86点

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モーツァルト 交響曲第40番 ワルター(52)

ワルタ-モツ4025
ワルター/ウィーンフィル(52、SONY)は1975年にCBSソニーから正規盤として初めて
発売されたときに大いに話題になった。今では聴けないタイプの演奏だ。
盛大な拍手が演奏前に聴かれ、この演奏会の高揚が伝わる。

録音はムジークフェラインザール5月18日のライブでオーストリア放送協会の
放送用テープからのものでヒスなどはきれいにのぞかれて聴きやすい。
弦の膨らみなどはもちろん最近の録音にはかなわない。

第1楽章はじまるとすくに強烈なポルタメントに見舞われる。
この曲にこの演奏で初めて接するならばそういうものかと思うが、
現代の演奏に慣れ親しんでいる耳からするとかなり気になる。
これはこの演奏を評価する上で重要なこと。
私はただでさえ甘美なこのメロディをさらに甘くしてしまうポルタメントの嵐は
有害と感じた。音楽を安っぽくしてしまっている。
指揮者の唸り声も入り熱演ではある。
第2楽章も感情のこもったロマンティックな演奏。この音楽は深いパトスを宿す。
第3楽章はすっきりと美しい。ワルターの歌声が入っている。
終楽章はまさに疾走する。
ベルリン盤のような中途から速くなるのでなく、最初から速い。
オーケストラは素晴らしい熱演を展開する。
もちろんヴィブラートやポルタメントはお手の物。熱い思いを乗せて終結。拍手。

7:10  8:11  4:22  4:41   計 24:24
演奏 A-   録音 75点

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マーラー 交響曲第6番 レーグナー(81)

レグナー36
レーグナー/ベルリン放送交響楽団(81、DS)は表面穏やかな演奏。
とはいえ事なかれではない。よく聴くとところどころに仕掛けがある。
また、当時としては珍しいスケルツォとアンダンテの順序を入れ替えている。

録音はベルリン・キリスト教会でのデジタル録音。
音響面では定評がある場所だが私の盤だけかもしれないがフォルテで若干濁るのが残念。
ダイナミックレンジはほどほどで品のいい音。

第1楽章冒頭の行進は切羽詰まらず比較的穏やか。これがこの演奏を象徴している。
わめき散らすことなくインテンポで進む。それぞれの音が整然と鳴る。
癖のある表情はない。純器楽曲の古典として扱う。
刺激的な演奏の対極なので、肩すかしを喰らう人もいるだろう。
第2楽章はアンダンテが来る。頽廃的でけだるい。流麗であるが爽やかでなく腰が重い。
美しいのだが軽やかではない。ここではレーグナーが積極的に弦をしゃくりあげる。
ぎこちないポルタメント。
第3楽章はスケルツォ。一転生気あふれるエグリの効いた音楽となる。
ティンパニはパンチがあり、弦は積極的な表情。
終楽章は第1楽章と同じ印象が回帰する。
しかし、10分過ぎてくると徐々に熱気を感じるようになる。
金管が一部で突出したり、弦の普段は聴こえないパーツが浮上したり。
そもそも全体の音圧が高くなり、東ドイツ時代のへしゃげたラッパの音も聴こえる。
何か正常の中の狂気を感じさせる。
聴後感は不思議な演奏、ということ。

24:52  14:52  12:00  30:33  計 82:17
演奏  ?   録音 (84)点

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