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クラシックCD聴き比べ ~ Classic CD Memos ~

クラシック音楽のCDを中心に演奏者への敬意を込めて、つたないメモを書いています。

モーツァルト ピアノ協奏曲第23番 カーゾン(68)

2019.01.22 (Tue)
pcon23カーゾン1968ケルテス
カーゾン(p)/ケルテス/ロンドン交響楽団(68、DECCA)は知的な温もり。
クリフォード・カーゾン(Clifford Michael Curzon, 1907~82年)の音盤は
なんでも興味がある。
現代の水準からすると録音も含めて音が綺麗な訳でも、
テクニックがとりたてて優れているという感じでもない。
にもかかわらず惹きつけるのはなぜだろうか?
Clifford_Curzon.jpg
訥々と一音一音を慈しむようなピアノが独特。
フォルテピアノかと思うような音色。

一方、ケルテスとオケは爽やかだ。これはこれで良い。
青年と老人が対話しているような雰囲気だ。
ピアノは既に達観の境地にいる。それを優しくオケがいたわる。
素敵な構図だ。
ただ、私はクーベリック/バイエルンの方が一体感を感じる。

録音はキングスウェイホールでのセッション。
当時の水準的音。弦は綺麗だが全体の量感はそれほどない。
響きも大きくなくDECCAの録音としてはモノクロ的。
しかし演奏の方向性とはあっている。

11:15  7:02  8:13   計 26:30
演奏   A    録音  87点

モーツァルト ピアノ協奏曲第23番 ハイドシェック(93)

2019.01.21 (Mon)
pcon2322ハイドシェック1993
ハイドシェック(p)/グラーフ/ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団
(93、Victor)は独自の世界。

ハイドシェック(1936~)の旧盤から30年たった。彼の50代半ばの記録。
あのハイドシェックが齢重ねて物わかりのいい大人にならず
更に自分の好き勝手をやっているのが素晴らしい。
Heidsieck-Eric-01.jpg
本盤の特徴は
 ①ピアノのカツンとした音は相変わらず。
 ②ズラシ感を用い表情が一層自由に。
 ③カデンツァがピアニスト自作。
 ④オケは地味。

第1楽章普通に序奏が済んだあとピアノが出ると突然流れはガタピシャとなる。
最初はこの急ブレーキに戸惑うがついて行くしかない。
そのあとは心の準備ができるので、「オ、来たな」となる。
極めつけは9:16から11:09のカデンツァだ。
この楽章のモチーフを使い豪華に作り上げる。旧盤ともまた違う。
即興的だしカデンツァ本来の楽しみだ。
第2楽章もピアノはポツリポツリ淋しい。優しいタッチにせず、
にもかかわらずヨタヨタの表現をとるところが面白い。
終楽章はアタッカで入りここでは眩しいくらいのは溌剌さ。
ピアノの表情は千変万化。思いあぐねたりとび跳ねたり。

ハイドシェックは今でも現役なのだろうか?
一期一会の演奏を展開してきた彼。
その後どのような演奏を展開したのだろうか?

録音はザルツブルグ・モーツアルテウム・大ホールでのセッション。
Stiftung_Mozarteum_-_Grosser_Saal_.jpg
比較的こじんまりした音場感。響きは少なくピアノはオン。

11:39  7:18  7:33   計 26:30
演奏  個   録音 90 点

モーツァルト ピアノ協奏曲第23番 ハイドシェック(62)

2019.01.20 (Sun)
pcon23ハイドシェック1962
ハイドシェック(p)/ヴァンデルノート/パリ音楽院管弦楽団(62、EMI)はテキパキ自在。

ハイドシェック(1936~)は特定の評論家が強く推したことにより日本で有名。
ピアニスト20代半ばの眩しい演奏。
Heidsieck-Eric-[1973]
ヴァンデルノート(André Vandernoot, 1927~91年)は
André Vandernoot
ベルギーの指揮者だが全体はフランス系でかためられた演奏。
だからというわけでないがとても明るい。

本盤の特徴は
 ①ピアノはパリパリ明快な音。
 ②テンポの揺れや溜めが自由。
 ③カデンツァはピアニストの自作。
 ④ピアニストの歌声つき。
 ⑤オケがチト粗い。

第1楽章はくっきり進む。
目玉のカデンツァは自作で8:58から10:56まで。
この楽章のテーマを使い、時にはバッハ的。
第2楽章もタッチはしっかりしておりメソメソ感は少ない。
終楽章はライナーノートの執筆者(宇野功芳氏)は
『ハイドシェックの弾くこの楽章を聴かずしてモーツァルトを語るなかれといいたい』
とのこと。
感情の赴くままに疾走するピアノに必死についていくオケ(縦線が合わない)。
これはこれで面白いと思うが、今となるとそこまで激賞する?と思う。
とてもお茶目なピアノだとは思うが。

録音はフランスでのセッション。
広さはそれなりの場所。量感は無く弦の音の平板さは時代を感じる。ピアノは近い。

11:24  6:02  7:31   計 24:57
演奏   A    録音  87点

モーツァルト ピアノ協奏曲第23番 ルービンシュタイン(61)

2019.01.19 (Sat)
pcon23アルトゥール・ルービンシュタイン(Arthur Rubinstein, 1887~1982年)
ルービンシュタイン/ウォーレンスタイン/RCAビクター交響楽団
(61、RCA)は淡々とした中にロマン。

ルービンシュタイン(1887~1982年)はショパンのイメージが強く
モーツァルトは彼の膨大なディスコグラフィの中では僅かだ。
彼の言葉によるとショパンは日常身近だがモーツァルトは神だったようだ。

23番は愛好曲だったのか私の手元にはルガノでのライブ盤もある。
pcon23アルトゥール・ルービンシュタイン(Arthur Rubinstein, 1887~1982年)live
共にピアニスト70代半ばの演奏。
ライブ盤の方が活き活き感はあるが本盤は丁寧な良さ。

指揮者ウォーレンスタイン(Wallenstein, 1898~1983年)は
alfred wallenstein
チェリストとしての録音もあるが後年はジュリアード音楽院で教鞭をとった。
独奏者を尊重するのでタイプだったのだろう。重宝がられたようだ。

RCAビクター交響楽団は録音用のオケで色んなところに出没する(?)が
本盤ではNY在住のオケメンバー(NYPなど)により編成されており腕は確か。
木管などもよい。

演奏は両端楽章は完全に力が抜けており技巧的でもない。
ピアノの音はこじんまりせずおおらか。
アダージョはロマンが宿る。遊びつくした男の洒脱。
全体に無神経な音や作為もなく大人感がある。

録音はニューヨーク、マンハッタンセンター。
バーンスタインでおなじみの場所だがここでもたっぷり音場。
多少古さは感じるが詰まりもなく鮮明で爽やか。

11:24  7:02  8:06   計 26:32
演奏   A    録音  88点

モーツァルト ピアノ協奏曲第23番 ツァハリアス(86)

2019.01.16 (Wed)
pconZacharias mozart
ツァハリアス(p)/ジンマン/ドレスデン・シュターツカペレ(86、EMI)は
煌めきを纏う。とにかく聴き惚れるとはこのことだ。
初めてこの曲を聴く人にこの美しい演奏・録音を聴かせたい。

ドイツのピアニスト、ツァハリアス(Christian Zacharias, 1950~)
Zacharias_630.jpg
の第1回モーツァルトピアノ協奏曲全集からの一枚。
ピアニストが30代のときにヴァントやマリナー、ジンマンなどと組んで録音した
ことから分かるように、海外ではその実力が高く評価されていた。
ただ日本では時折見られる彼のお茶目なアドリブが教条主義的評論家の
眉を顰めさせた可能性はある。だからこの全集が日本盤として発売されたことが
あるのか分からない(輸入盤では廉価で出回っている)。

もし全集を入手したならばまずこの曲を聴かれることをお勧めする。
なぜなら22番・23番だけがドレスデンで収録されオケの響きが天上のようだから。

この演奏、序奏を聴いただけでぞくぞくする。
力を抜いたシルキートーンがそよ風となって撫でる。
爽やかな風
ピアノは全編タッチが軽やかで繊細で綺麗。ペライアを一層爽やかにしたよう。
第2楽章は節度あるテンポを維持し粘らない。
ドレスデンのオケが涙が出るほど美しい。
終楽章も軽やかだがオケも含めて優しい音を紡ぐ。
最初から最後まで一貫した自然な運びなのでいつの間にか終わってしまう。
夢心地。

彼はローザンヌ室内管とも全集再録音を果たしており海外で絶賛されて
いるようだが、本当にこれを超えることができるのか恐くて未聴。

因みに私はツァハリアスのモーツァルトのみならず
スカルラッティやシューベルトも好き。

録音はドレスデン・ルカ教会でのセッション。
EMIとは思えない儚い美しさはやはりこの会場の艶やかな響きがもたらす。
ピアノとオケの溶け合いもよい。

10:43   6:35  7:48   計 25:06
演奏   S    録音  94点
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